前回、ことばの基礎となる力について、「ことばのビル」という考え方をご紹介しました。土台から順番にビルを建てていくように、基礎となる力が積み重なっていくことで、ことばが話せるようになることです。今回は、「ことばのビル」の2階の部分にあたる、「体の発達にそった十分な運動」についてお伝えします。
当センターでは、よく「発音が不明瞭で何を言っているかわからない」というご相談を受けることがあります。そのようなお子さんの中には、体の使い方が不器用なお子さんが多くおられます。
人の体の働きは、中心から外側に向かって発達します。例えば、手の使い方で考えると、赤ちゃんは初め取りたいものをつかむことができませんが、成長するにつれて、手を伸ばして物をつかめるようになり、やがて指先で物をつまめるようになっていきます。口の働きも同様に、初めは母乳やミルクを飲み込むだけだったのが、食物をかむことができるようになり、やがて唇を使って吸ったり吹いたりという複雑な動きができるようになっていきます。このように、体の発達は全身が関係しており、その子の体の発達にそった十分な運動を心がけることで、次の段階の体の成長へとつながっていきます。
ことばが不明瞭で聞き取りづらいときには、発音の言い直しをさせたくなったりするかもしれませんが、体全体の成長の影響も考えられます。また、何度も言い直しを求められることで、お子さんが話したい気持ちをなくしてしまうこともありますので、言い直しをさせるよりは、親子で一緒にたくさん運動遊びをするのがよいでしょう。ブランコ・アスレチックの山登り・鉄棒など、揺れに対して体をふんばったり、歯をくいしばったりするような遊びに、一緒に取り組みましょう。お子さんが4歳児さんになっても発音が気になるようなら、当センターにご相談ください。
参考:「健診とことばの相談」中川信子著、ぶどう社
問合せ:健康推進課子育て世代包括支援センター
【電話】0749-42-4887
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