■手を使うこと
以前、ことばの基礎となる力について、「ことばのビル」という考え方をご紹介しました。土台から順番にビルを建てていくように、基礎となる力が積み重なっていくことで、ことばが話せるようになることです。今回は、「ことばのビル」の4階の部分にあたる、「手を使う」についてお伝えします。
私たちは、日ごろ当たり前のように「手を使う」という行動をしています。このことが、「ことばとどう関係するの?」と思われる方もおられるでしょう。「手を使う」ことは、脳の働きによいと聞かれたことはないでしょうか?よく言われるのは、老化防止のために指先を使うとよいということです。
つまり、子どもも手を使って様々なことに取り組むことによって、脳が刺激され、ことばの発達もより促されるのです。子どもが幼いうちは、やりたい気持ちはあっても手をうまく使うことができず、時間がかかったり、かんしゃくを起こしたりするので、子どもにやらせるより大人がやってしまう方が楽ということもあるでしょう。しかし、大人が先回りしてやってしまうことで、子どもは「手を使う」機会が少なくなり、脳への刺激が減るばかりか、経験不足によって手をうまく使えなかったり、いつしか大人にやってもらえるものと思い込んで、自分でやらなくなってしまったりします。何もかも子どもにさせることは、大人にとってもストレスになることがあるので、余裕があるときに、できるだけ服の着替えや靴を履くこと、食器運びなど身の回りのことをさせたり、粘土や砂遊び、折り紙など手を使った遊びを取り入れたりするといいですね。ポイントは、子どものやる気と楽しめることです。「ちょっとがんばったらできた!」という子どもの満足感を大切にしましょう。
参考:「健診とことばの相談」中川信子著、ぶどう社
問合せ:健康推進課子育て世代包括支援センター
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