加齢に伴い筋力が衰え、疲れやすくなり家に閉じこもりがちになるなど、年齢を重ねたことで生じやすい衰え全般をフレイルといいます。健康な状態と介護が必要な状態の間にあり、必要な対策を行うことで、健康な状態に戻ることができます。
「いつまでも自分らしく、いきいきとした豊かな日常生活を送る」ために、介護予防に取り組むことが大切です。
介護予防とは、介護を必要とする状態を未然に防ぐこと、今は介護が必要であってもできるだけ体の機能を改善することを指します。特に、早い段階でのフレイル予防が大切です。
◆健康長寿の3つの柱
フレイル予防のためには、「栄養」「身体活動」「社会参加」の3つの要素を意識することが必要です。
◆フレイルチェックリスト
1つでもチェックがついたら、フレイル予防に取り組みましょう。
◇栄養
・1日3食、食べていない日がある。
・6か月間で2~3kg以上の体重減少があった。
・6か月前に比べて固いもの(さきいか、たくあんなど)が噛みにくくなった。
・お茶や汁物でむせることがある。
◇身体活動
・以前に比べて、歩く速度が遅くなってきた。
・この1年間に転んだことがある。
・週に1回以上の運動をしていない。
◇社会参加
・週に1回も外出しないことがある。
・普段から家族や友人との付き合いがない。
※15項目のフレイルチェックから一部抜粋。
◆フレイル予防のための測定会
今の体力を確認するために、握力やバランス力の測定をしてみませんか。
町ホームページ 測定会のお知らせは本紙2次元コードをご参照ください。
■1.栄養
◆3食しっかり食べましょう
食事は、1日3食しっかり食べることが理想です。特に肉、魚、卵、大豆製品などのたんぱく質は筋肉や血液など身体をつくる大切な栄養素です。年齢を重ねるとともにたんぱく質の吸収率が低下するため、1日3食の中で少しずつ取り入れることが大切です。
豆腐、缶詰(サバ、ツナなど)、ゆで卵、チーズなどを普段の食事に“ちょい足し”すると手軽にたんぱく質を補うことができます。
◆お口周りの健康
むせることが増えたり、食べ物が噛みづらくなったりしていませんか。お口周りの筋力が低下しているのかもしれません。また、しっかり噛めるということは、食べるだけでなく転びそうになった時の踏ん張る力になるなど転倒しないためにも大切です。
口腔体操は、「パ」「タ」「カ」「ラ」とひとつずつ発音することで、嚥下(えんげ)(飲み込む)機能に関わる筋肉を気軽に鍛えることができます。
歯や口の中のことで気になることがある場合は早めに歯科受診をしましょう。
■2.身体活動
動かない状態が続くことで、余計に身体が動きにくくなってきます。普段の動作のついでに、簡単なストレッチで固まった身体をほぐして、動ける身体をつくりましょう。冬場に多い、末端冷え性も、適度に体を動かし身体の隅々まで血液を巡らせることで改善が見込めます。
また、年齢を重ねると足の筋力も低下してきます。足の筋力が低下することで、歩く速度が遅くなることや躓つまづきやすさにつながります。そのため、足を中心とした運動が大切です。
◆やってみましょう!
◇タオルストレッチ
長めのタオルを両手で持ち、そのまま万歳をします。左右に体を傾け、わき腹を伸ばします。お腹やわき腹が伸ばされ血流が良くなります。この時、腰が反らないように気を付けてください。
◇膝伸ばし
太ももの前側を鍛える体操です。椅子に深く座り、片方の足の膝をゆっくり伸ばします。足が伸びきったらつま先を天井に向け、ゆっくり足を下ろします。
■3.社会参加
左図(本紙参照)のように社会(人)とのつながりが減ることがきっかけとなり、心や体に影響が出てきます。また、閉じこもりの状態が続くと認知機能の低下を招き、うつ状態になる可能性が高くなります。一人で過ごす時間の多い方は社会(人)とのつながりが少なくなっています。直接会わなくても電話やメールなどで交流し、お互いに声をかけ合い孤立を防ぎましょう。
地域の会議所や公民館などで気軽に集まれる「通いの場」などに参加し、地域の方と交流しましょう。
◇地域の「通いの場」
・おたっしゃ教室
・福祉会などのサロン
・男性のための運動教室 など
問い合わせ先:長寿福祉課 地域包括支援担当
【電話】0748-52-6001
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