文字サイズ
自治体の皆さまへ

【特集】未来につなぐ農業のために~地域活性化起業人~(1)

1/17

滋賀県東近江市

湖東地区の読合堂営農組合では、地下水位制御システム(フォアス)が整備され、先進的な野菜の栽培が行われています。11月には、朝早くから立派に育ったみずみずしいキャベツが収穫されました。

■考える農業の「これから」
本市では、時代の変化に対応した地域農業の発展を図っていくための指針として、「東近江市農村振興基本計画(アグリプラン)」を策定しています。「風土をいかし、みんなで育て未来につなぐ豊かな東近江市の農」を本市の農業・農村の将来像として、基幹産業である農業と豊かな歴史文化を有する農村を良好な姿で次の世代に引き継いでいく。そして、市民の皆さんが食べる農産物の大半が新鮮でおいしい東近江市産となるよう、農業・農村振興の取組を進めています。
今年度、その取組の一環として総務省の地域活性化起業人制度(本紙3ページ参照)を活用し、民間企業から社員を派遣してもらう新たな農業振興事業をスタートしました。
本事業を進めるに当たり、野菜や果樹などの農産物の生産振興を強力に進めるため、一般公募によって人材を派遣してもらう事業者を募集した結果、京都市に本社を置くタキイ種苗株式会社に決定しました。8月1日からは、同社資材部の神出一昭さんに東近江市地域活性化起業人として従事してもらっています。
本市の基幹産業である農業を持続的に発展させていくためには、新鮮な市内産農産物の発信力・販売力を強化し、魅力ある農業を実現するとともに、農業・農村を将来にわたって担う「人財」の育成や確保が必要です。
神出さんは、地域農産物の生産力を高めるべく、地域農業の担い手である農業者や農業を志す新規就農者に寄り添う良き相談者として、民間企業で培ったノウハウや資材などの情報をいかしながら官民一体となった農業振興に取り組んでいます。

■地域活性化起業人制度とは(企業人材派遣制度)
自治体が設定する地域独自の魅力や価値の向上、地域活性化につながる業務に対して、そのノウハウや知見がある企業人材を「地域活性化起業人」として企業から自治体に派遣することに国が支援する制度です。派遣される起業人は、自身の在籍する企業に籍を置いたまま、自治体で日々業務に従事します。

▽神出一昭さん(タキイ種苗株式会社/京都市)
このたび、東近江市の農業振興を図る、地域活性化起業人の委嘱を受けました。週4日、農業水産課地域商社支援室で勤務しています。タキイ種苗は、野菜や草花の種子の開発と販売、農業園芸資材の販売などを手掛けている会社です。社内では、滋賀県の営業を担当していたこともあります。現在は、資材部課長補佐として働いています。
東近江市は、市町村別の耕地面積が近畿最大ですが、農業産出額は近畿10位。農地の大半は水田で、収益の効率性に課題があります。この状況を改善するため、野菜や果樹の作付け、出荷の推進、栽培の相談、情報提供などに取り組んでいます。
・座右の銘…竹は節目で伸びていく
・好きな野菜…ネギ

■本市の農業の現状
本市は、近畿最大の耕地面積(約8,330ヘクタール)と滋賀県下最大の農業産出額(1,026千万円)、総農家数2,788戸を有しています。水田面積率は96.8パーセントと高く、水稲や麦、大豆が盛んに栽培されています。また、野菜や果樹の産地としても有名です。冬キャベツ・秋冬白菜が県内産地指定を受けているほか、きゅうりやトマト、すいか、ぶどう、梨、いちじく、メロン、いちごなどの栽培も盛んです。今後、タマネギやニンジンの栽培も増やしていく予定です。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU