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元気な森林を取り戻そう

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滋賀県東近江市

■森林の役割
本市は、市域の56パーセントを森林が占めています。森林の多くが市域東部の鈴鹿山系の山間部に存在し、湖東平野を潤す重要な水源の役割を果たしています。平野部にも箕作山、雪野山、繖山など里山が点在し、美しい景観を見せています。このような森林は、木材生産やきのこなどの林産物を収穫する場所というだけでなく、渇水や洪水を緩和しながら良質な水を育んだり、土砂災害などの防止、生物多様性の保全などさまざまな機能があります。森林は、私たちが安全で快適な生活を送るために欠かせない大切な役割を担っています。

■林業の課題
林業は、森林の経済的な利用を目的として、苗木を植裁、保育して林産物(主に木材)を生産する産業です。林業従事者は、植林、保育、間伐などの森林管理を適切に行い、森林がもつ多面的機能を保全するという重要な役割を果たしてきました。しかし、昭和39年の木材貿易の完全自由化に加え、プロパンガスの普及による燃料としての木材利用の減少や木材価格の長期間低迷により、林業経営は長きにわたり極めて厳しい状況が続いています。
本市の森林は、所有形態が小規模であることに加え、山村集落の高齢化に伴う林業従事者の減少、不在地主の増加や世代交代などによって管理ができず、手つかずとなった森林が増加するなど、豊かな恵みを与えてくれる環境が危機にひんしています。

■森林環境譲与税を活用
本市では、森林の適正な管理を目指して、森林環境譲与税を活用した取組を進めています。その一つとして、自治会ごとに行う集落会議があります。集落会議では、森林の所有者、森林組合、学識経験者、県、市などの関係者が集まり、その地域の森林形態の把握、個人や地域としての森林との関わり方、現在の森林の現状や課題について話し合い、今後の森林整備や森林資源の利活用について検討を重ねています。

▽集落会議
集落会議の具体的な取組として、林業経営に適した経済林と自然環境の保全を目的とした環境林を区分けした整備方針をまず策定します。次に、その方針に従い森林整備を進め、森林の機能を効率的・効果的に高めていきます。森林整備は、森林の所有者が協力して事業を進めなければ成果を上げることができません。そのためには、森林の所有者同士の境界を明らかにする必要があります。しかし、長い間相続登記されていないことが原因で境界が不明な森林が増えています。

▽最新の測量技術を活用
本市では、森林の境界を明確にするため、航空機による最新のデジタル技術を活用した航空レーザ測量で得られたデータを基に森林の境界図面を作成しています。集落会議において森林の所有者にこの図面を提示し、合意を得ることで現場における立会いなどの負担を軽減しています。
こうした取組によって戦後植林された森林の整備が進み、林業の再生につながることを期待しています。本市では、森林経営管理制度に基づく基本方針を令和5年4月に策定し、今後もこうした取組を継続しながら、本市の林業の持続的発展と森林の保全を図っていきます。

■森林をいかす仕組み~森林環境税と森林環境譲与税~
令和元年度に森林整備の取組に向けた新たな財源として、「森林環境譲与税」がスタートしました。
令和6年度からは、森林環境譲与税の財源となる「森林環境税」の課税が始まります。皆さんからいただいた貴重な財源を活用して、森林の整備を進めていきます。

■森林経営管理法(森林経営管理制度)について
平成31年4月に林業を取り巻くさまざまな問題の解決策として施行された法律です。森林の経営や管理が適切に行われていない森林を市が仲介役となって所有者と森林組合などの林業事業者をつなぐことで森林経営の効率化と森林管理の促進を図り、林業の持続的発展と森林としての役割を発揮することを目指しています。
本市では、令和5年4月に森林経営管理法における基本方針を策定し、適正な森林整備の推進を図っています。

問合せ:林業振興課
【IP電話】050-5801-2188【FAX】0748-23-8291

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