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森と人をつなぐコラム 森里川湖をめぐるストーリー(9)

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滋賀県東近江市

鈴鹿の森から始まり、森里川湖を通じて人と自然がつながっていることを感じていただくコラムです。

■風の精「イヌワシ」と森の精「クマタカ」
鈴鹿の森には、大型の猛禽である風の精「イヌワシ」と森の精「クマタカ」が生息しています。イヌワシは、翼を広げると2メートル近くにもなる日本の山岳地帯に生息する最大の猛禽です。その卓越した飛翔能力と獲物を狩るパワーは、古くから人々の心を捉え、人間にはない超能力を有する天狗伝説のモデルにもなっています。
一方、クマタカは、東南アジアの熱帯雨林に分布する森林性の猛禽であるクマタカ属のうち、最北に生息する大型の猛禽です。幅広く力強い翼を有しているため、森林内を自由自在に行動することが可能で、森林内に生息するさまざまな中小動物を獲物としています。
イヌワシの生息地は、スコットランド、モンゴル、ロッキー山脈のような草地や灌木の広がる開放地で、日本のような森林国に生息することは奇跡ともいえます。
その奇跡をもたらした要因のひとつは、森林帯における人々の生活にあります。茅刈り場、焼畑、炭焼きなどで創り出された人為的な開放地がイヌワシにとって格好の狩場を提供してきたのです。
生物多様性に富む森林に生息するクマタカと開放地を狩場として生息するイヌワシが共に生き続けてきた鈴鹿の森は、紛れもなく世界に誇るべき稀有な存在なのです。

執筆…山﨑亨(東近江市参与、アジア猛禽類ネットワーク会長)

問合せ:森の文化博物館整備課
【IP電話】050-5802-9951【FAX】0748-24-1457

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