【引札(ひきふだ)暦】
引札の中には、カレンダーのような役割を果たした「引札暦」があります。明治15年(1882)政府の管理下にあった暦の印刷・出版が解禁になり暦入りの引札が作られ始めました。農業中心の生活を送っていた人々にとっては、種まきの時期等が記された暦は大変重要なものでした。そのため、暦入りの引札は家の目につく所に貼られ、各家庭の生活を支える役割を担っていました。引札暦には絵柄が組み合わさっているデザインのものも刷られました。
それでは、明治41年(1908)の引札暦を見ていきましょう。
中央にある略暦とは、一般の人が便利なように行事をピックアップした暦の事です。月の日数の大小、祝日、日曜日、甲子の日、庚申の日、二十四節気等が項目ごとに一枚にまとめられています。
明治6年に政府は旧暦(太陰暦)から世界の多くの国で使われている太陽暦(新暦)に切り替えましたが、当時の人達はまだまだ旧暦に馴染みがある生活を送っていました。(新暦・旧暦併記)
庚申(こうしん)とは、庚申神を祀り無病息災や長寿等の現世利益を祈る日
甲子(きのえね)とは、商売繁盛、五穀豊穣等を大黒天に祈る日
たねまき(この年の時期を見ると)
1月21日より なすまき
2月2日より あいたねまき
3月21日より いね、あわ、ごぼう
4月2日より わた、小豆、ごま
5月21日より 大豆、きび
8月23日より 大こんまき なたねまき
10月24日より むぎたねまき
刻巻煙草販売/北落/上田滝吉
(当時、タバコは、キセルで吸うため葉タバコを刻んで販売していた)
参考資料:「明治・大正の広告引札」愛荘町歴史博物館
本紙を参照ください
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