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知っとこ・う・か・!公立甲賀病院

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滋賀県甲賀市

■第16回アトピー性皮膚炎、近年の進歩について知っとこうか
皮膚科部長 山本文平(やまもとぶんぺい)

□アトピー性皮膚炎っていったい何者?
アトピー性皮膚炎というと「アレルギー」を連想しませんか?
しかし近年、アレルギーではないアトピー性皮膚炎のメカニズムが分かりました。アレルギーの場合、反応する物質が決まっています。例えば「杉」に対する花粉症です。アレルギーでない場合、「衣服のこすれ」のような刺激に対しても湿疹を作ってしまいます。特定の「アレルゲン」がなくてもアトピー性皮膚炎は発症してしまうのです。
また、湿疹のある皮膚は新たなアレルギーを作りやすいことが分かっています。湿疹が続くことで、さらにアレルギーが作られてしまうと、「アレルギーでないアトピー」の上に「アレルギーのアトピー」が追加されてしまいます。ここでアトピー性皮膚炎は、一気に訳が分からない、難治性の病気になってしまいます。
大人になって突然悪化したようなアトピー性皮膚炎は、アレルギーが追加されたアトピーである可能性があります。

□アトピー性皮膚炎の最新の治療
アレルギーではない湿疹があることから、アレルギーの原因を調べるだけでは不十分となります。しっかり外用剤を使い、「痒くないので掻かない」といった良い循環を維持することが大切な治療です。
良い循環を維持するための薬剤として、以前まではステロイドと保湿剤くらいしか薬剤の選択肢がありませんでした。しかし近年は研究が進み、副作用の少ない外用薬が使用できるようになりました。また、ステロイド外用剤を半年以上しっかり使っても難治である場合、高額にはなりますが、新たな注射薬や内服薬が使えます。
新しい薬剤の登場で、アトピー性皮膚炎は以前より圧倒的にコントロールしやすい病気になっています。

問合せ:公立甲賀病院総務企画課
【電話】62-0234
【FAX】63-0588

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