今年は、国連「子どもの権利条約」成立から35周年の節目です。「こども基本法」は、この条約と日本国憲法の精神にのっとり一昨年に成立、昨年施行されました。
基本理念の一つ、「子どもの意見表明権」は、「聴かれるこどもの権利」と言い換えることができます。この権利を保障するために、聴く側の技術や努力が必要だと言われています。
聴くのはこどもの意見です。ただ、日本語で「意見」とされている語は「子どもの権利条約」原文では「views」となり、「景色、見解、考え、期待、意向」などを含む、より広い意味を持ちます。こどもに何が見えているか。思いは?感情は?というところまで「聴く」必要があることがわかります。
うまく言えなくても言葉にできなくても、こどもたちの声を聴く。聴く行為そのものがこどもを支えることもあるでしょう。遊び、身振り、表情や創作物からこどもの気持ちを読み解くことも必要です。
福祉や医療の分野で使われてきた「アドボカシー」(擁護・代弁)という言葉を使って、こどもの声を聴き社会に届ける「こどもアドボカシー」の取り組みも始まりました。
「なるほど、もう少し聴かせて」を合言葉に、みんなで「聴く」を深めていく。こどもをきっかけに始める取り組みを社会の様々な場面に広げ、いつでも、誰の言葉も正しく聴く。そんな試みをまちづくりに活かせたら素敵です。
問合せ:人権推進課 人権教育室
【電話】69-2150【FAX】63-4554
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