■第30回 救命について知っとこうか
救急医療部長 岡林旅人(おかばやしたびと)
◇あなたは救命処置をためらわずにできますか?
このように問われたら、あなたはためらわずに「できます。」と答えることができるでしょうか?胸を強く押して骨が折れないだろうか、肺や心臓に悪いことにならないだろうか、この人本当に心臓止まっているのなどと心配されませんか?迷ったり、本当にしていいのか心配するのは当然です。
でも、意識がなくて呼吸をしていない人、呼吸をしているかわからない人に遭遇したら、迷わず胸骨圧迫心臓マッサージを始めてください。
心臓が停止して、脳に酸素が運ばれなくなったら数分で脳細胞は回復不能な障害を受けてしまいます。あなたの踏み出す一歩が心停止に陥った方の命をつなぐのです。
公立甲賀病院に心肺停止で搬送され、後遺障害を残さずに退院できた方のほとんどは、倒れた時にそばにいた方の早期の胸骨圧迫心臓マッサージとAEDによる速やかな除細動が行われていました。そばにいる方の、一次救命処置をためらわなかった勇気がそれらの方の命をつないだのです。
救命の連鎖という言葉があります。心停止にならないように予防することが一番重要ですが、心停止で倒れた方の命をつなぐためにすぐそばにいる方の行動が本当に大切です。
もしもの時は、ためらわずに、胸骨圧迫心臓マッサージとAEDを使用してください。
※救命の連鎖につきましては、本紙またはPDF版を参照してください。
問合せ:公立甲賀病院(地域がん診療連携拠点病院・滋賀医科大学地域医療教育研究拠点)
【電話】62-0234【FAX】63-0588
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