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【特集】認知症の高齢者を専門にケアするグループホーム(認知症対応型共同生活介護施設)(2)

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滋賀県竜王町

■インタビュー
グループホームに入居されているAさんに関わる方々にお話をうかがいました。

◆往診医…弓削メディカルクリニック
〔Q〕受診のきっかけは?
Aさんは骨折などを契機にだんだんと活動度が低下していき、家庭内でもさまざまな努力をされたものの奏功せず、話し合いの末にグループホームへの入居に至られました。グループホームにおける受診までの流れは本当にさまざまです。長く受診されていた方が、徐々に認知症を発症されて入居されるケースもありますし、他院で診療されていた中で、入居をきっかけに受診を開始されるケースもあります。

〔Q〕医師と認知症の患者さんとの関係で気を付けていることは?
認知症の方は、その段階にもよりますが、外界の認識が大なり小なり、何らかの困難さを抱える状態となられます。その中でも、なるべくご本人自身とコミュニケーションを取るにはどのようにしたらよいのかを考え、試行錯誤して対応しております。言葉だけではなく、手を握るなど行動による触れ合い方が有効な方もおられますので、ご本人の特性に応じた良質な関わりができるようにしています。

〔Q〕病状が悪化したときなど、病院との連携は?
グループホームでは、訪問診療という形での定期的な診察が入り、日常的な健康管理が行われます。もちろん、必要に応じて専門医の受診の継続や、突発的な健康面の異常が起こった際には対応医療機関への受診を適切に受けることができます。日夜、グループホームのスタッフが、入居者の生活状況をよく観察され、医療機関との密な連携もある中で、健康管理はかなり手厚く受けられているのではないかと思います。

〔Q〕看取りについて
グループホームはもともと「自宅と同じような機能を担う」ように制度設計されているものです。そして、昨今は「グループホームでの看取り」も少しずつ日常的なものとなってきています。グループホームは長く利用される方も多いため、結果としてご本人やご家族にとって「思い入れのある大切な場所」になることも多いです。もし、ご本人やご家族が望まれて、病気の経過が穏やかなものでしたら、グループホーム内での看取りが叶うように医療を含めて多くのスタッフがサポートし、対応させていただいています。

〔Q〕今後、社会や地域に求められること
現在の日本は世界に先駆けて高齢化社会が進んでおり、高齢者の状況に応じた、幅広い居場所を確保することがとても大切とされています。グループホームはその中でも重要な一翼を担う施設です。特に、認知症を抱え、その人らしく、状況に見合った配慮を受けながら、最期まで地域で過ごすという点に着目するならば、グループホームは非常に大切な選択肢になると思います。ぜひ、町民の皆さんにも正しくグループホームの特性を知っていただき、将来の選択肢の1つとして前向きに位置付けていただけたらと思います。

◆グループホーム運営推進委員(地域住民)
〔Q〕地域とグループホームとの関わりは?
グループホームが地区内にある1軒のお家と考えてお付き合いをしてきました。以前は、地域の人が気軽に立ち寄ったり、また防火訓練やグループホームの行事にも、いろいろと関わらせていただきました。コロナ禍以降、少し関わりが減ってしまいましたが、職員さんと良い関係が築けているので、収束したら様子をみながら地域のおしゃべりカフェなどの行事に参加していただけたらと思います。また今後は、グループホームで非常事態が発生した際には、地域でグループホームを見守れるような体制も考えていきたいです。

◆グループホームスタッフ
〔Q〕Aさんとの関わりの中で気遣っていることは?
Aさんは、常に県外の出身地に帰りたいとの気持ちがありますが、「ここで寝泊まりしなしょうがないな」と思われています。また、昔のことを思い出され、墓参りなど季節ごとの行事を心配され、「実家に連絡してほしい」と強く言われることがあります。そんな時も、私たちはAさんの発言を否定せず、その気持ちをくみ取り、声掛けをしながらAさんに寄り添っています。そして、グループホームでの暮らしがAさんにとって押し付けにならないよう、ご本人がマイペースで生活できるように心掛けています。

〔Q〕地域との関わりは?
新型コロナ感染症の感染拡大前は、グループホームの行事の際には地域の方との交流がありました。現在は、運営推進会議を通して利用者さんの状況をお知らせしたり、利用者さんが制作された作品を文化祭で展示させていただいたりしています。地域の皆さんも温かく見守ってくださり、散歩などに出掛けると気軽に声を掛けていただけます。また、職員が積極的に地域になじんでいくことも大切だと思っています。

〔Q〕看取りについての考えは?
グループホームに入ったら、必ずここで最期を迎えるとは限らないと思います。常日ごろから、ご家族と相談をしながら悔いの残らないようにするにはどうすべきか、みんなで考えています。やはり、家族が声掛けできる状況が一番大切で、利用者さんとご家族が納得して最期を迎えられることを願っています。

〔Q〕できる限りの面会を…
面会も一つのケアだと思っています。利用者さんに面会が必要であれば、ご家族と施設とで話し合って決めています。「グループホームに入れたらもう終わり」ではなく、「ここからがスタート」と説明しています。また、ご家族の中には、「面会すると本人が帰りたくなるから面会は遠慮しようかな」と思われている方もいますが、ご家族に会われると落ち着かれる利用者さんもおられるので、できる限り面会できるようにしていきたいです。

〔Q〕気軽に頼ってもらえる場になれば
最近は、地域の皆さんから「困ったらグループホームに頼ったらいいのや」という声も聞かれるようになってきました。気軽に助けを求めていただける場にしていけたらと思っています。そして、子育て中のお母さんなど、いろんな方に気軽に立ち寄っていただける場になったらいいなぁと思っています。

■「ふきのとうカフェ」
現在、介護中の人、介護経験がある人、将来の介護が心配な人、ご自身やご家族の認知症のことが心配な人、「ふきのとうカフェ」で話をしてみませんか。誰かに話し、相談することで気持ちを軽くしていきましょう。

■認知症ケアパス安心ガイド
認知症の症状に応じた対応の仕方やサービスに関する情報を掲載した「認知症ケアパス安心ガイド」です。ぜひお役立てください。

■ご相談は「竜王町地域包括支援センター」まで
竜王町地域包括支援センター(福祉課)福祉ステーション内
【電話】58-3704【FAX】58-8019

■町内には3つのグループホームがあります
・希望の家・綾戸 
・わかすぎの丘・七里
・万葉の里
※詳しくは福祉課まで

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