■80歳代になっても元気に歩けるからだづくり
▽「歩く」ことはQOL(クオリティオブライフ・生活の質)の要です!
歩くことは日常の基本的な移動手段で、自立した生活を送るためにとても大切なことです。普段から歩くことが少ない人は、転倒しやすく外出の機会も減ります。また、健康のためにも非常に大切なことで、高血圧・肥満・糖尿病・動脈硬化の改善、骨の強化などに効果があります。幸福感を生む脳内物質が分泌されることもわかっており、心の健康にも役立ちます。ながーく(長い時間・長い距離・何歳になっても)歩くためのからだづくりと歩き方を身につけましょう。
▽歩くことのメリット
・フレイル予防
・足腰の痛み予防
・認知症予防
・転倒予防
・生活習慣病予防
・男女問わず一人でもできる
・病気や障がいがあっても、杖や歩行器を使いながらできる
・人と交流する機会がうまれるなど
■お腹から腰を土台にしよう
人は重い頭(約5kg)と2本の腕(約10kg)をからだの上部につけ、重い内臓を買い物袋にぶら下げるようにお腹に抱えています。これらを支えながら、からだはまっすぐに保たなければなりません。そのため腰には大きな負担がかかってしまいます。
お腹から腰までをコルセットのように覆う腹横筋という筋肉があります。腹横筋が働くとお腹から腰までがギュッと圧縮されてひとかたまりに固まります。これによってお腹から腰が全体で土台となり、上半身の重みを支えることができます。からだはまっすぐに安定して保たれるため、歩行も楽に行うことができます。
▽腹横筋の呼吸トレーニング
(1)腕は開き、肩を下げておく。
(2)肩を下げたまま、深ーく息を吸っていく。
(3)下腹部(ヘソよりも5cmほど下)に空気を集めるように、吐いていく。
(4)吐いたら、下腹部に集めた空気をできるだけそのままにして、(2)と(3)を繰り返す。
■足の機能を高めよう
楽に歩くためには足の裏が柔軟であること、足の指がよく動くことが大切です。
▽足の裏のマッサージ
特に小指や薬指のある足の外側をマッサージする。青竹踏みなども効果的。
▽足指トレーニング
特に小指や薬指を動かすことを意識する。できる人はチョキにもチャレンジ。
■足裏の中心で支えよう
体重を最も楽に支えられる位置は脛(すね)の骨の下です。これは足の裏でいうと中指と踵(かかと)を結んだ線と内側と外側のくるぶしを結んだ線の交わるところで、ここが足裏の中心と言えます。
▽足裏の中心で立つトレーニング(1)
椅子に座り膝(ひざ)を外に開く。ヘソを前に出すようにして前屈みになる。
足裏の中心に体重をかけてお尻を椅子から浮かせていく。
足裏の中心に体重をかけたまま、身体を起こしていく。
▽足裏の中心で立つトレーニング(2)
足裏の中心に体重をかけて立つ。
リラックスして、腕とからだを左右に振る。
▽足裏の中心で立つトレーニング(3)
足裏の中心に体重をかけて立つ。
わきを締め、手のひらを下に向ける。そのままの形で腕を前後に振る。
▽片足で立つトレーニング
支える側の足裏の中心を意識して体重をかけていく。十分に中心に体重がかかれば、反対の足は軽く上がる。
■胸から歩こう
歩行というと足を前に出して進むイメージがありますが、実際は上半身が先に進みます。胸から歩くイメージです。
(1)上半身が先に前に進み、(2)それに伴って支えている側の脚が前に倒れます。この倒れる力が前方へ進む力になります。(3)上半身を追いかけるように反対の脚が出ます。
▽一歩のトレーニング
片足で立つトレーニング(上記)の要領で片足立ちになる。そこから胸が前から引かれるように、一歩踏み出す。
▽歩行トレーニング
胸に糸が付いていて、それが前方から引かれるイメージをもって歩く。
協力:滋賀家庭医療学センター理学療法士・言語聴覚士 田口 裕
詳しくは町ホームページをご覧ください。
・高齢、介護について
・介護予防、竜ウォークについて
・出前講座の案内(講師代が必要な講座もあります。)
※本紙掲載の二次元コード参照
問合せ:地域包括支援センター(福祉課内)
【電話】58-3704
<この記事についてアンケートにご協力ください。>