■よるのばけもの
住野よる 著/双葉社
中学生の安達は夜になると『ばけもの』になる。真夜中に忍び込んだ学校で出会ったのは、クラスでいじめられている矢野さつきだった。さつきはあっさりと化け物の正体を見破ってしまい、それ以来、安達は一緒に「夜休み」を過ごすようになる。その他大勢としていじめを傍観していた安達だったが、彼女と過ごすうちに、クラスメイトの行動や彼女の「笑顔」に違和感を抱くようになる。
いじめという現象が持つ、いびつな人間関係や、理不尽さが巧みに表現されており、どこか他人事のように感じてしまいがちな“いじめ”という題材を、きちんと物語として楽しませてくれる。いじめの現状は残酷で、胸が締め付けられるような気持ちになるが、読後には清々しさと爽快さが残り、その感情をいつまでも忘れずに胸に抱えていたい気持ちになるでしょう。
問合せ:図書館・南草津図書館
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