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滋賀県草津市

~率直な子どもの思いから考える「平和」~

8月に入ると、メディアで戦争に関する特集が組まれたり、平和について学ぶイベントが開催されたりと、戦争や平和について考える機会が増えていると思います。子どもたちもこの時期に、夏休みの課題として、関連記事の収集や作文など、平和に関する学習に取り組む機会が増えます。子どもたちの鋭い感性や素朴な疑問に、はっとさせられることもしばしばあります。
今回は、昨年の6月23日、沖縄県の「慰霊の日」に開催された「沖縄全戦没者追悼式」で、当時、小学2年生の女の子が朗読した「平和の詩」をもとに平和について考えていきます。

「こわいをしって、へいわがわかった」
びじゅつかんへお出かけ
おじいちゃんや
おばあちゃんも
いっしょに
みんなでお出かけ
うれしいな

こわくてかなしい絵だった
たくさんの人がしんでいた
小さな赤ちゃんや、おかあさん

風ぐるまや
チョウチョの絵もあったけど
とてもかなしい絵だった

おかあさんが、
七十七年前のおきなわの絵だと言った
ほんとうにあったことなのだ
たくさんの人たちがしんでいて
ガイコツもあった
わたしとおなじ年の子どもが
かなしそうに見ている

こわいよ
かなしいよ
かわいそうだよ
せんそうのはんたいはなに?
へいわ?
へいわってなに?

きゅうにこわくなって
おかあさんにくっついた
あたたかくてほっとした
これがへいわなのかな

おねえちゃんとけんかした
おかあさんは、二人の話を聞いてくれた
そして仲なおり
これがへいわなのかな

せんそうがこわいから
へいわをつかみたい
ずっとポケットにいれてもっておく
ぜったいおとさないように
なくさないように
わすれないように
こわいをしって、へいわがわかった

[沖縄県平和祈念資料館提供]

女の子は、沖縄県の美術館を家族と訪れ、そこで「沖縄戦の図」という絵画と出合いました。「沖縄戦の図」には、集団自決や戦場を逃げ惑う人々が描かれています。この絵を見たときに感じた、女の子の率直な思いがこの詩に込められています。
この詩には、

・地上戦で逃げ惑う人々の苦しみや絶望を、絵画から思い浮かべることができる想像力。
・戦争の恐ろしさを知ることで、戦争への歩みを止めることができる理解力。
・母親に身を寄せたときに「平和だ」と感じた、人が持つぬくもりや安心感。
・姉とけんかしたときに、対話を通して和解できたという経験。
・平和の実現をめざす思いを自分の心に留め、手放さないという意志の強さ。

といった、平和な世の中をつくっていくためのヒントがたくさん詰まっています。そして、これらは、全て私たちの暮らしの中で意識できるもの、人間関係で培っていけるものです。戦争や平和について考えるとき、漠然と捉えがちですが、自分にできることを地道に積み重ねていくことが、大切なのではないでしょうか。
女の子は、式典前のインタビューで、

(沖縄戦で戦死した)天国にいる大きなおじいちゃんに届くようにがんばります。

と答えています。日本で起こった戦争の延長線上に今の私たちの暮らしがあることを胸に、今一度、平和について考えたいものです。

問合せ:人権センター(大路二、キラリエ草津3階)
【電話】563-1177
【FAX】563-7070

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