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KUSATSU 歴史ギャラリー[No.190]

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滋賀県草津市

■芦浦遺跡(あしうらいせき)出土の弥生土器(やよいどき)
-出土状況から分かること-

今回紹介するのは、令和4年度の調査で芦浦遺跡(芦浦町)から出土した「弥生土器」です。芦浦遺跡は草津市の北部に位置し、これまでの調査で縄文(じょうもん)時代から中世(ちゅうせい)にかけての集落跡や古墳が確認されています。今回の発掘調査では、弥生時代の溝と、溝の中から弥生土器の破片を多く確認することができました。
発掘調査において、溝や流路(りゅうろ]の跡から出土した土器の多くは、破片が多く、表面が摩耗(まもう)しているため、どのような形の土器か判断が難しい場合があります。しかし、今回出土した弥生土器は、上から押しつぶされたような形で見つかり、口縁部(こうえんぶ)(フチ)の口径が11.4cmで、4条(じょう](本)の線が施され、表面には製作途中で使用される調整の道具の跡などがよく残っていました。
また、周辺にも表面の模様(もよう)が残された土器の破片が多く出土しました。これらのことから、この土器は上流から流れてきたものではなく、この付近で壊れてしまったものと思われ、これらの土器を使用するような集落が近いところにあったことが分かります。
このように、発掘調査で出土する土器は完形に近いほど良い資料というだけでなく、出土状況や、土器表面の摩耗の程度をよく観察することで、発掘調査地周辺の過去の様子を推測することができます。こうした発見の積み重ねで、当時の周辺の状況が明らかになっていきます。皆さんも土器などを見る機会があれば、当時の人々の生活を想像してみてはいかがでしょうか。

問合せ:歴史文化財課(6階)
【電話】561-2429
【FAX】561-2488

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