■小西理市長が昨年を振り返り、今年の展望を語ります。
近江八幡市長 小西理
聞き手:近江八幡市広報番組「テレはち」キャスター 片山むつみ
――はじめに、市民の皆さんに新年のごあいさつをお願いします。
市長:
市民の皆さん、新年明けましておめでとうございます。3年余り続いた新型コロナウイルス感染症は、本当に大きな影響を与えてきましたが、昨年5月に5類へ変更になり、皆さんの生活も、また地域の行事も徐々に戻ってきて普段の生活に近い形になってきました。しかし、原油高や為替高により、苦しい生活をされている方も非常に多いかと思います。そのような中ではありますが、2024年は市民の皆さんと一緒に、「未来に向けて夢のある1年」にしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
――まずは昨年の取り組みについてお話をお聞きします。徐々に経済活動も活発になってきましたが、一方で、物価高騰もありました。これに対し、どのような施策を実施されましたか。
市長:
さまざまなものに収入が追いついていかないことがあり、しっかりと下支えをしていかなければと考えました。特に、年金生活されている高齢者の方や収入を得るのが難しい方を支えるため「たすかるチケット」を発行させていただきました。他には、障がい者や高齢者の福祉施設、子どもたちが利用する施設を運営する事業者の方々をはじめ、農業者など、困っている方々に届くように支えさせていただきました。
――子ども医療費無償化の助成対象を高校生世代まで拡大されましたね。
市長:
若い世代の収入が非常に厳しい中で、医療費は家計に与える影響がとても大きいところです。従前より中学生まで医療費を無償化させていただいたのですが、今は高校まで行く人がほとんどです。その時に世帯の負担が増えることは、その人の暮らしに与える影響が非常に大きい。そこで、高校生世代までしっかりと計画的に、不安なく子育てしていただける、また、勉強に励んでいただける環境を整えさせていただきました。
――昨年5月に健康ふれあい公園でオープンしたスケートパークについて、お聞かせください。
市長:
今までは、スケートボードを路上や駅前でされていることも多く、市民の方からも「場所を造ってほしい」という声がありました。また、実際遊んでいる子どもたちからも、「しっかり練習できるスケート場が欲しい」という声も聞いていました。今回、健康ふれあい公園の調整池を活用できましたので、これはやるしかないなということで造らせていただきました。オリンピックでもとても人気がありましたし、子どもたちが夢を持って練習し、オリンピック選手になることを目指してもらえればうれしいです。
――市長は常々、子どもたちに本物の芸術音楽に触れてもらう機会を増やしたいといわれていますが、どのような事業を実施されましたか。
市長:
小学生の4・5・6年生にそれぞれ舞台芸術やオーケストラなどに触れる機会や、ここ文芸セミナリヨにも壁トがあるのですが、学校でいろんなアーティストの方々に出張授業をしていただくとか、さまざまな取り組みをさせていただきました。これからの時代、もの作りにも高付加価値を求めるためには、美的センスを磨く必要があります。小学生に将来なりたい職業を聞いたところ、ユーチューバーになりたいという人がたくさんいました。音楽やアートのセンスがなければ、ユーチューバーにはなれないですし、これからさまざまな会社で働く場合でも、広告や広報宣伝はとても大事で、製品を作る場合でもデザイン性は大切になります。音楽・スポーツ・文化はこれからの成長のキーになると思うので、できるだけ子どもたちが触れられる機会を作れるよう、これからも進めていきます。
――2021年7月に気候非常事態宣言を行い、ゼロカーボンシティを目指す中、さまざまな取り組みをされてきましたね。
市長:
西の湖も今、非常に水温が上がっていて「アオコの発生」という課題が出ており、身近に温暖化を感じる状況にあります。昨年は、公用車に電気自動車を導入させていただき、自己の家庭の電力をまかなうソーラーパネルや蓄電池などの設置に補助金を出させていただきました。また、新庁舎整備の契約をさせていただき、「ゼブ」という今までの使用エネルギーを半分以下にするという仕様にしています。行政がいろいろな分野で、これからの地球や地域を考えた、環境に優しい取り組みを進める、その一歩を踏み出させていただいたと思っています。
――2025年の国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会の開催に向けて、取り組みをお聞かせください。
市長:
今、競技会場になる施設の整備を進めています。軟式野球、バレーボール、ハンドボール、トライアスロンの正式4種目のほか、綱引きや西の湖ウォーキングなど、さまざまなスポーツを実施させていただきます。これからの時代、スポーツは人と人とのコミュニケーションを考えるうえで、非常に重要なコンテンツだと思います。この国スポ・障スポを一つの機会として、日本中のいろいろな人がここ近江八幡を訪れ知っていただくことで、人のつながりが増えるように、おもてなしできるように準備していきます。
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