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歴史の小窓-学芸員のメッセージ-

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滋賀県野洲市

■三上(みかみ)山下(やました)古墳(こふん)出土(しゅつど)獣帯鏡(じゅうたいきょう)
─発見後の軌跡─
当館では、11月26日(日)まで開館35周年記念企画展「四面の鏡-海を越え、つながる王-」を開催しています。今回は三上山下古墳出土獣帯鏡の発見後のいきさつについてご紹介します。
明治31(1898)年、三上山下古墳から2面の獣帯鏡が出土しました。出土した鏡は、大正12(1923)年の段階で山川七左衛門氏によって所蔵されていたことが判明しています。
昭和46(1971)年に韓国で武寧(ぶねい)王陵(おうりょう)が発見されると、これら2面の鏡と出土した鏡が同型(どうけい)鏡(きょう)であることから注目を浴びることになります。ところが、山川氏によって所蔵されていた鏡はその後行方不明になっていました。長らく所在不明として取り扱われてきましたが、近年、九州国立博物館によって所蔵・保管されることになりました。
鏡が納められている桐箱を観察すると、橋井半雲と判読できる印が押されており、山川氏の他に橋井氏が所有していた可能性があります。他にも判読のできない墨書があり、もっと多くの人の手に渡っていた可能性も考えられます。
このように、興味深い桐箱もあわせて展示しています。再び野洲の地に戻ってきた獣帯鏡とあわせ、この機会にぜひご観覧ください。(博物館学芸員 芦塚晶太)

歴史民俗博物館
【電話】587-4410【FAX】587-4413

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