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歴史の小窓-学芸員のメッセージ-

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滋賀県野洲市

■出現期(しゅつげんき)の古墳(こふん)-野洲市冨波(とば)古墳-
市内には、国の史しせき跡に指定されている8基の古墳「大岩山(おおいわやま)古墳群」があります。それらは当時、野洲川下流域一帯を支配した有力首長(しゅちょう)の墓と考えられています。中でも、最も古く位置づけられる冨波古墳は、全長が40mを超え、ほぼ東西に主軸方向をとる前方後方墳(ぜんぽうこうほうふん)です。
昭和57(1982)年の発掘調査で、その存在が明らかとなりました。調査に入る前、一帯は水田となっていて、墳丘(ふんきゅう)はすでに削られていました。現在は、史跡公園として整備されています。
この古墳は、弥生時代に首長層(支配者)として独立し始めた人物の墓(周溝墓(しゅうこうぼ))だという考え方もあります。いずれにしても、弥生時代から古墳時代への移り変わりのなかで、どのように古墳が現れてきたかを考える、ひとつの手がかりを持っているといえます。
また、出土遺物に近江地域の特色をもつ甕(かめ)だけでなく、東海地域に特徴的な丹(に)塗(ぬ)りの壺(つぼ)片がみられることも、とても興味深いことです。
当館では、これらの土器を今月3日から7月9日まで展示しますので、この機会に、ぜひご観覧ください。(博物館学芸員:角 建一)
※市民は入館無料(運転免許証やげんきカードをご提示ください。)
※休館日:月曜日
※市ホームページ等で事前に開館状況をご確認の上、ご来館ください。

歴史民俗博物館
【電話】587-4410【FAX】587-4413

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