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「発達支援センター通信」

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滋賀県野洲市

「シロクマのことだけは考えるな」
『シロクマの実験』という海外で行われた心理学の実験があります。大学生をA、B、Cの3つのグループに分けてシロクマについての映像を観てもらいます。最後に、Aのグループには「シロクマのことを考えておいてください」、Bのグループには「シロクマのことは考えても考えなくてもどちらでもよい」、Cのグループには「シロクマのことだけは考えないでください」と伝え、少し期間をあけて、シロクマの映像について質問するという実験です。結果は、Cの「シロクマのことは考えないでください」と言われたグループが一番映像の内容をよく覚えていたというものでした。つまり、「〇〇をしてはいけない」と言われると、逆にそのことが気になってしまい考えてしまうのです。
発達障がいの人と関わる時、禁止中心の関わりになりがちです。「〇〇してはいけません」などの声かけが多くなってしまうことが多いです。もちろん、してはいけないこともあるのでそういった言葉かけは必要です。一方で、禁止ばかりになると、注意されたことは気になったまま、結局また同じことをしてしまったり、さらには隠れてしてしまったりということにつながることもあります。
実は『シロクマの実験』には続きがあります。同じ実験で「シロクマのことを考えないように」と告げた後、「シロクマの事を考えそうになったら、赤い車を思い浮かべてください」と条件を加えました。すると、シロクマの映像を覚えている量は減るという結果になりました。つまり、「〇〇してはいけない」とだけ伝えるだけではなく、代わりの「□□しましょう」まで伝えることで、してはいけないことから意識を離すことができたのです。
日ごろの声かけが禁止ばかりになっていないかを少し振り返り、よりよい声かけの方法を考えていきたいですね。

発達支援センター
【電話】587-0033【FAX】587-2004

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