■北村季吟(きたむらきぎん)の古典研究-京都の新玉津嶋(にいたまつしま)神社での日々-
博物館では下記のとおり、北村季吟(1624~1705年)の生誕400年を記念した企画展を開催しています。
野洲郡北村(現・野洲市北)を故郷とする季吟は、江戸時代に俳人・歌人・国文学者として活躍した人物です。元禄(げんろく)2(1689)年、66歳の時に江戸幕府によって和歌(わか)に関する学問を司る初代歌学方(かがくかた)に任命され、和歌の第一人者として、宝永(ほうえい)2(1705)年に82歳で亡くなるまで江戸を拠点に活動しました。
しかし、江戸へ移るまでに京都の新玉津嶋神社(にいたまつしまじんじゃ)で過ごした6年間も季吟にとっては重要な時期です。天和(てんな)3(1683)年、60歳の時より同社にて社司(しゃし)(神官(しんかん))として移り住みました。この期間は、のちに5代将軍の徳川綱吉(とくがわつなよし)に献上することとなる『万葉拾穂抄(まんようしゅうすいしょう)』(万葉集の注釈書)を執筆するなど、和歌や古典文学の研究に勤(いそ)しんだ時期でした。
企画展では、新玉津嶋神社で過ごした時期に記した「新玉津島記(にいたまつしまき)」など、季吟自筆の貴重な史料を紹介しています。古典研究に勤しんだ北村季吟の姿に想いをはせていただく機会となれば幸いです。
(博物館学芸員 齊藤慶一)
■秋期企画展「北村季吟-芭蕉の師・生誕400年記念-」
11月24日(日)まで開催
※期間中の休館日:月曜日(11月4日は開館)、11月5日(火)
※市民は入館無料(運転免許証やげんきカードなどをご提示ください。)
問い合わせ:歴史民俗博物館
【電話】587-4410【FAX】587-4413
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