日本スポーツ協会公認陸上競技上級コーチの資格を持つ人吉スポーツパレスの森英和館長が、ランニングのイロハを紹介します。
■残暑を乗り切る!運動時の熱中症対策
今年は厳しい暑さが続いていますので、予定を変更してウオーキングやランニング中の命に関わる熱中症の予防と対策についてお話しします。
熱中症は、高温多湿の状況で体内の水分やミネラル(特に塩分)が汗として多量に排出され、脱水状態になって体液のバランスが崩れ、適正な体温調節ができず体温が上昇し体調不良を起こす状態です。
体温が40度を超えると、髪の毛や皮膚、頭蓋骨、くも膜などに覆われて魔法瓶状態になった髄液に浮かぶ脳は高温になり、体温中枢をコントロールできず、機能不全を起こして最悪、死に至ります。
熱中症の初期症状は、気分が悪くなる、手足のしびれや筋肉のけいれん、立ちくらみなどです。さらに症状が進むと、吐き気や嘔吐(おうと)、脱力感があります。重度になると、意識障害、高体温、全身のけいれんのほか、ふらふらして立っていられず倒れます。症状が進むと命に関わるので、早めの医療機関の受診をおすすめします。
しかし健康・体力の維持増進には運動の継続が大切です。しっかり対策して運動を続けましょう。
◇運動時の熱中症対策ポイント
(1)気温の高い時間帯の運動は避ける
(2)運動前・運動中・運動後と、積極的に水分を補給する
(3)日陰やエアコンが効いた室内でできる運動を行う
(4)無理をせず休憩を複数回取る(このときに水分補給をする)
(5)日焼けを予防できる軽く涼しいウエアを選ぶ
(6)日傘・帽子・タオル・冷感商品などを利用する
(7)運動時のマスクは高温の空気を吸い込むため着用しない
(8)血糖値などに問題のある人は、糖分を含むスポーツドリンクを避ける
(9)運動前・運動中のアルコールの摂取は厳禁
(10)薬を服用中の人は医師と相談して運動する
(11)天気予報(気温)、熱中症アラートなどの情報を参考にする
問合せ:市社会教育課スポーツ振興係
【電話】22-2111(内線4024)
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