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キラッと輝く合志人

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熊本県合志市

■目標は世界新記録
入江 和也(いりえ かずや)さん(須屋)

8月5~11日、福岡県で開催された世界マスターズ水泳選手権大会で、金メダル3つ、銀メダル2つを獲得した選手がいる。入江和也さん(70歳)だ。
定年後も仕事は続けてきたが、この大会のために3月で退職。「目標に向かって打ち込めるので、今は毎日が楽しいです」とにこやかに話す入江さんは、週3回2000mを泳ぎ、他に自転車やランニングも日課にしている。
水泳は小学6年生から始めた。高校までは部活を続けたが、当時は楽しさよりきつさが上回っていた。それから20年ほど経った頃、知り合いからトライアスロンに誘われた。「水泳はできる、走るのも苦手じゃない。あとは自転車だけ覚えればいい」そう考えて競技を始めた。平成13年には天草で開催されたトライアスロンの大会で優勝を果たす。
この頃の様子について、妻の千佳さんは「小学1年生だった息子が病気で亡くなって。夫はその子の分まで何かを頑張りたかったのでしょうね」と目を細めて当時をしのんだ。
この優勝はひとつの区切りになり、48歳ごろからは水泳にも力を入れるようになった。
冒頭の大会では、はじめは世界大会の雰囲気に驚いたが、表彰台では世界のライバルたちと片言ながらもお互いを称え合うことができた。「海外選手は体格がいい。腕も足も長くて、体重がある分スタートの伸びがすごいんです」そんな強豪たちと競い合い、後半で逆転する入江さんの泳力には驚かされる。
これまでに獲得した日本新記録は25個。8月26~27日に福井県で行なわれた大会の50m平泳ぎでも36秒42で日本新記録をマークしている。しかし、入江さんは静かに闘志を燃やしていた。「コンマ2秒、世界に及ばなかった―」この気持ちが次の大会に向かう原動力だ。
今後の目標は、そう尋ねると千佳さんとにこやかに見つめ合い「長生きと世界新記録。それに、アイアンマン※にも出場して完走したい」と答えてくれた。
家族に支えられ、入江さんの挑戦はこれからも続く。
※トライアスロン最高峰の大会(ハワイ開催)

入江さんは取材後の10月末、日本トライアスロン連合エイジグループNCS(スプリントランキング)男子70〜74歳でも、年間チャンピオンに輝いた。

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