人権擁護委員
岩根 浩(いわね ひろし)さん
昨年の10月から人権擁護委員を務めています。
私は県内の小学校に37年間、県外の大学に5年間勤務しました。小学校では、豊かな人間性を養うために、国語力の習得を通して、互いに学び合う児童の育成に取り組み、大学では国語教育を核に、保育士や幼・小の教員養成に携わってきました。その中で、多くのことを学び教えてもらいました。
それは、相手の立場に立って話を聴き、自分のこととして受け止める態度です。相手が何を欲しているのか。夢の実現のために自分ができることは何か。授業や諸活動を通して児童や学生の変容・成長を見るたびに、自分なりに貢献できる喜びや幸せを実感しました。
今日の価値観の多様化、社会規範の希薄化などは、自分と他者との関わりを弱め、相互理解を難しくしています。また、無関心・決めつけ・思い込みなどといった状況を招き「人としていかに生きていくのか」という根源的な問いを投げかけています。改めて、私たち一人ひとりに「伝え合うこと」の大切さが求められており、誤った知識や情報、偏見などにとらわれることなく、正しく見て、正しく知って、正しく考えていくことが重要になっています。
国連事務次長の中満泉(なかみついずみ)さんは、課題を解決するためには「(1)勇気(2)多様性を尊重してさまざまな視点を理解し共通項を探し出す力(3)常に謙遜の心を持って脆弱な立場の人に心を寄せ、解決の手助けをできる力」が重要であると述べています。(出典 令和5年8月24日熊本日日新聞)
私は、この記事に接し、以下の3点(1)人権問題の起こる背景を正しく理解すること(2)人権問題を自分自身の問題として捉え、具体的な行動につなげていくこと(3)「我以外皆師也(われいがいみなしなり)」の心ばえを忘れず、日々学び続けること、を大切にし、周りに安心と幸せを与えられる人権擁護活動に努めていきたいと考えています。どうぞよろしくお願いします。
問合せ:人権啓発教育課啓発教育班
【電話】096-248-2399
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