■牛に感謝!
松島 太一(まつしま たいち)さん(若原)
松島さんは、乳牛の改良・育成技術を競う大会の上位入賞常連で、西日本を代表する若手酪農家だ。
昨年は、3月の第19回オール九州BandWショウ九州大会では名誉賞首席、11月の第42回県乳牛共進会では経産牛・未経産牛の部の両方でグランド・チャンピオンに輝いた。来年は全日本ホルスタイン共進会北海道大会(5年に1度開催される全国大会)の出場と入賞を目指している。
菊池農業高校を卒業後、北海道やカナダで酪農を学び、22歳で就農。松島牧場では両親・妻や実習生らと共に約150頭の乳牛を育てる。搾乳やエサやり、掃除などの牛の世話のほか、繁殖や栄養管理、病気対策などに気を配る。大変な仕事だが「辞めたいと思ったことは一度もない」という。
育てるコツがあるのか聞いてみたら「餌をたくさん食べてもらうこと」と答えた。言葉は少ないが、きっとそこには知識と経験に基づいたたくさんの工夫や、牛への心遣いがあるのだろう。
酪農業はいまだ飼料高騰や消費低迷などで厳しい状況にある。そんな中、品種改良や搾乳の効率化、ひいては生乳の質・量の向上に繋がる可能性を秘める松島さんの育成技術は、地域酪農の希望となっている。
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