11月18日(月)に県庁地下大会議室を会場に開催された「令和6年度熊本県文化財保護大会」において、「被災装飾古墳の今とこれから」と題し、熊本地震などで被害を受けた装飾古墳がある玉名市、和水町、熊本市、嘉島市から復旧事業の報告を行いました。
いずれの自治体においても、事前調査と工法検討に時間がかかり、復旧のめどが見えてきた自治体もあれば、ようやく古墳内部の安全確保の見通しが立ち、これから具体的な調査に着手するところもあります。
和水町では、装飾古墳である塚坊主古墳が今年度中に工事完了する予定、また装飾古墳ではありませんが、同時に復旧を進めている江田船山古墳については、令和7年度の工事完了を見込んでいます。
報告後に行われたパネルディスカッションでは、災害に備えて平時から記録を残しておくことの重要性や、古墳ごとの特徴に応じた対応が必要であること、装飾古墳の価値を損なわないために、持ち込む資材一つ一つにも細かな注意が必要なことなど、復旧事業の難しさについての意見が出ました。
最後に、古墳がここまで被害を受けたことは初めてのことであり、熊本での復旧事業は、全国や世界においてもお手本となる事例になるだろうとの講評も受け、復旧事業を進める責任を改めて感じた機会となりました。
問合せ:社会教育課 文化係
【電話】0968・34・3047
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