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自治体の皆さまへ

シリーズ ちょっとの行動 ずーっと健康 vol.16

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熊本県宇土市

先月号では、インスリンの働きと高血糖が及ぼす悪影響についてお伝えしました。インスリンの使い過ぎで不足したり、効きが悪くなることで高血糖状態が起こりますが、その背景にはどのような生活習慣や原因があるのでしょうか。

■インスリンを大量に使う生活習慣とは…
先月号では、インスリンは血糖を下げる働きを持つことをお伝えしました。血糖値が急激に上がるほど、血糖値を下げるために大量のインスリンが分泌され使われます。つまり、インスリンを大量に使う生活習慣とは、急激な血糖値の上昇をおこす生活習慣なのです。

■急激な血糖値の上昇はいつ、どんな時に起こっている?
急激な血糖値の上昇は食べ過ぎたときや食事の欠食があったとき、そして食べるものによっても影響を受けています。過食すると、血糖値が急激に上がるため、血糖値を下げるためにインスリンがいっぱい使われてしまいます。過食が続き、体脂肪が蓄積すると、インスリンを大量に使っても効きが悪くなる『インスリン抵抗性』といった状態が起こり、通常と同等のインスリン効果を得るために大量のインスリンが使われてしまいます。

■食事を抜くことは、血管を傷めることにつながります。
朝食欠食や朝食はコーヒーだけといった方もいらっしゃるかと思います。欠食をすると、次の食事の際に血糖値が急上昇することが分かっています。(グラフ参照)この実験は、朝昼晩食べた場合(水色)と朝食欠食の場合(黄色)朝昼欠食の場合(赤色)の血糖値の変動をみたものです。夕食にいずれも同じ内容の1,000kcalの食事を摂取していますが、血糖値の上がり方に大きな差がみられます。これは食後高血糖という状態が起こっていることを意味しています。「食事の後に強い眠気を感じる」その背景には血糖値が関係しているとも言われています。食後高血糖は心臓病のリスクを上げることが分かっており、リスクを下げるためには、血糖値の大きな変動を避けることが必要です。

■食べるものでも血糖値の上がり方が異なります。
糖質は「単純糖質」と「複合糖質」に大別されます。単純糖質と複合糖質の違いは、糖質の構造です。単純糖質は糖の分子がばらけて存在しており、複合糖質は糖の分子がくっついて存在しています。本来、人間の体に糖質が吸収されるためには、分子をばらけさせることが必要です。菓子類や果物、お酒などに含まれる単純糖質は分解する時間が不要なためすぐに体に吸収され、血糖値が急上昇してしまいます。一方、ごはんや麺、パン(菓子パンを除く)に含まれる複合糖質はくっついている糖の分子のつながりを切る時間が必要です。そのため、単純糖質よりもゆっくりと糖が吸収されることで血糖値の急上昇が起こりにくくなります。
お酒を飲むためにごはんを抜く方もいらっしゃいます。糖質の摂取量を過剰にしないという意味では、その行動は適切です。しかし、ごはんよりも大量にインスリンを使用していることを知っていただければと思います。

今月号は、血糖値を急上昇させる生活習慣についてお伝えしました。来月は、インスリンの効き目が悪くなる『インスリン抵抗性』という状態についてお伝えします。

問い合わせ:健康づくり課 健康推進係
【電話】27-3324

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