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「農業」がつくる幸せ(1)

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熊本県宇土市

宇土市は、広大な平野と温暖な気候に恵まれ米や野菜、果樹など、農業が盛んな地域。
住みやすい田舎と呼ばれるのも、私たちが普段の暮らしで当たり前に「地元のもの」を食べられるからではないでしょうか。
こうした豊かな食を守ってくれているのは、現場で汗を流す農家さん。
私たちの日常の「幸せ」を守る農家さんはどんな思いで農業に取り組んでいるのでしょうか。

写真は宇土幼稚園の給食時間の一コマです。お米や野菜、魚を美味しそうにもりもり食べる園児たち。「おれ、野菜好きだよ。」「私も!」という元気な声が飛び交っていました。
〔写真は本紙またはPDF版をご覧ください〕

■人と農業をつなぐ地域のみんなで育てる「農」
トマト農家であり、農地利用最適化推進委員や生産特殊部隊U.T.O.(ユーティーオー)の隊長として農業を次世代につなぐために奮闘する齊藤さん。
齊藤さんの活動やこれからの農業への思いを伺いました。

生産者特殊部隊U.T.O.(ユーティーオー) 隊長 齊藤 栄一郎さん(走潟町)

齊藤さんは、走潟町のハウスでトマト農家を営んでいる。「両親が農業を営んでいて、長男だったので継ぐしかなかった。」と農業を始めた齊藤さん。30歳で自分のハウスを建ててから農業に対する意識が変わった。「ハウスを建てるために、初めて一千万円を超える借金を負いました。そこで自分でやっていくぞと覚悟が決まりました。」と当時の思いを話す。
「40代前半までは、どうしたらお金が稼げるかと、がむしゃらに頑張っていた。今は仕事に対する価値観が変わって、やりがいやトマトに対する愛情を感じるようになったね。」トマトに対して人間と同じように接しているという。「寒い時期は、俺が寒かったらこういうのが欲しいなとか考えながらね。最近では、てっぺんを目指すというよりゆとりを持って育てるようにしてる。」トマトは作り手の性格に似てくるという。このゆとりを持つことでトマトが齊藤さんのような熟成したまろやかな味になるのだろう。
齊藤さんは、トマト農家以外にも地域で農地利用最適化推進委員として農地パトロールを行ったり、生産者特殊部隊U.T.O.(ユーティーオー)の隊長を担っている。U.T.O.は、宇土の農家7名で作られている組織で、それぞれの生産物の一部をスーパーやマルシェで販売している。「結成当初は生産した野菜を高い金額で売るために、東京での販売に力を入れてたんだけど、最近では地元に根付いた、地元に応援してもらえるような組織で在りたいと思うようになった。」リピーターも増え、農園まで買いに来てくれるお客さんもいるという。
「これから経済は厳しくなっていくと思う。その中で農家として生き残るためには、収入ももちろんだが、やりがいや心のゆとりが大事だと思う。」と若い世代への思いを話す。「農業は自分一人ではなく、周りの人たちに助けられながら成り立つもの。地域との繋がりが大事になってくる。」
そこで各地区に1人ずついる隊員の存在が重要だと話す。「次の世代が1人で悩まないよう、相談できる相手として受け入れる地盤づくりが自分たちの役目になってくると思います。U.T.O.の隊員は自分を除き全員40歳前後。地域の中心として宇土の農業を支えることができるように成長していきたい。」と意気込む。これからも地域のリーダーとして地域を支え、農業を継承していく。

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