■ある日突然、日常が奪われたら…拉致された被害者とその家族の人権
◇拉致されたまま、帰ってこない家族
拉致は、本人が望まないのに連れ去ることです。1970年代から1980年代にかけて、北朝鮮当局は、多くの日本人を拉致しました。
今から45年以上前の1977年11月15日の夕方、新潟の街から忽然と姿を消した、横田めぐみさんは、まだ13歳でした。いつものように、朝ご飯を食べて学校へ行き、部活動を終えて、帰ってくるはずでした。めぐみさんがいなくなった日から、家族の生活は一変しました。にぎやかだった食卓は火が消えたようになりました。姿を消して40年以上たった今も、めぐみさんは拉致されたままです。
日本の強い働きかけにより、2002年9月初めて、北朝鮮当局は日本人の拉致を認め、謝罪をしました。そして、日本政府が拉致被害者として認定している17名のうち、5名が帰国することができました。しかし、めぐみさんと同じように、未だ多くの人が拉致されたままです。
◇拉致問題は、基本的人権を踏みにじる重大な人権侵害です
人は、自由に安心して生きる権利を生まれながらにしてもっています。しかし、拉致された人々は、当たり前の日常を奪われ、家族から引き離され、望まぬ場所で、望まぬ生活を強いられています。また、残された家族は、大切な家族を突然奪われ、生存の希望をもっても行方が分からないなど、納得できる情報もなく、深い悲しみの中で今も大切な家族の帰りを待っています。
◇関心を持ち続けよう
拉致の問題は、過去のものではありません。今もなお、救出を待っている人たちがいます。
基本的人権は守られるべきものです。この問題に関心を持ち続け、一日も早く全ての拉致被害者を取り戻すという強い決意を表明することが、この問題の解決への大きな力となります。
なお、拉致問題は、北朝鮮の一般の人々や在日韓国・朝鮮人の人々には何の責任もありません。誤解や偏見からこれらの人々を差別することがないようにしましょう。
◇北朝鮮当局によって拉致された被害者やその家族に関して起きていると思う人権問題(複数回答)
(掲載グラフは2022年8~9月宇土市人権に関する市民意識調査より抜粋。n=877:調査回答数877票をもとに割合を算出しています。)
(引用文献:「たいせつな人をとり戻すために」政府拉致問題対策本部、参考資料:『「拉致問題」を人権の視点で考える』大阪府人権教育研究協議会、「人権学習ワークシート集8.」神奈川県教育委員会、「北朝鮮による日本人拉致問題」政府拉致問題対策本部)
問合せ:生涯活動推進課 生涯学習係
【電話】22-6510
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