感動的なメダル獲得や涙の敗戦など数々のドラマが生まれたパリ2024オリンピック。どの競技、どのシーンも、大のスポーツ好きである私の胸を熱くしてくれましたが、今大会で特に心が揺さぶられたのは、男子マラソンで自己ベストを1分29秒も更新し、6位入賞を果たした県出身の赤﨑暁(あきら)選手(九電工)です。
赤﨑選手の自己記録は出場選手中55番目。そんな状況をものともせず、並みいる海外選手を相手に序盤から好走し、一時は先頭に立つなど果敢に攻め、最後まであきらめない粘り強い走りに大興奮しました。
県出身者がマラソンの五輪代表となったのは、1924年パリ五輪で日本人初のマラソン五輪代表となった金栗四三さん以来100年ぶりで、これまたドラマのような展開。そんな大舞台でプレッシャーを跳ねのけ記憶に残る走りを見せ、ゴール後のインタビューでは「速い選手はたくさんいる。日本記録を出してから僕は強いぞ、と言いたい」と清々しく語った赤﨑選手。今後の走りにも注目したいと思います。
さて、平和の祭典といわれるオリンピックの閉幕からほどなくして迎えた今年の終戦記念日。8月15日は、全国各地で平和への祈りが捧げられる日で、「戦争の悲劇を繰り返さない」との思いを新たにする一日です。私も、熊本市で行われた県の戦没者追悼式に参列してまいりました。
世界各地では紛争が絶えず、国際社会の分断は深刻化しています。そんな中で開催されたオリンピックは、平和の祭典としての意義が再確認されるべきイベントであったはずです。しかし、オリンピック休戦(※)の期間中にも戦禍が止むことはありませんでした。これは、平和の実現がいかに難しいものであるかを痛感させられる事実です。
戦後79年を迎え、国民の大多数が戦争を知らない世代となった今、戦争の悲劇は「記憶」から、遠い過去の「歴史」に変わりつつあります。どんなに時が過ぎようとも、私たちの今が、過去の戦争における多くの犠牲の上に成り立っていることを決して忘れてはならない、だからこそ私たちは、戦争の悲惨さを学び、知る努力、そしてそれを伝え続ける努力を絶やしてはいけません。今年の夏、私自身が「平和」について見つめ直す機会となりました。
※オリンピック期間中に戦争や紛争を停止することを求める国際的ルール
元松 茂樹
■速報
全国中学校体育大会で市内の中学生が大活躍!
相撲競技で、鶴城中3年の佐藤珀呂汎さんが個人優勝を果たし中学横綱に。陸上女子200mで、網田中1年の山内愛琶さんが2位に。
詳しくは次号でお伝えします。
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