■国民健康保険の仕組み
国民健康保険は、病気やけがをしたときに安心して医療が受けられるよう、加入者の負担による国民健康保険税と国などの公費で成り立っている医療制度です。
今後、持続可能な国民健康保険の運営に向け、県内のどこに住んでいても、同じ所得、同じ世帯構成であれば同じ国民健康保険税となるよう、令和12年度までに県内市町村の保険税の完全統一が図られる予定です。
■宇土市の状況
宇土市の国民健康保険税は、平成27年度に税率改正して以降、加入者の負担を少しでも抑えるため税率を据え置いてきました。その後、平成30年度の制度改正で県と市町村が共同で運営することとなり、その財源として国民健康保険税をもとに市町村が県に納付金を支払うこととなりましたが、市町村の財政を急激に圧迫しないよう設けられた「激変緩和措置」が適用されたことにより、宇土市の国保財政の収支は令和元年度から令和4年度までは黒字でした。
しかし、加入者数の減少により税収が年々減少する中で、医療の高度化や加入者の高齢化による医療費などの増加により、令和5年度決算では単年度収支で赤字となり、緊急の場合に備えていた財政調整基金から5,700万円を補てんしました。
■今後の見通し
宇土市が県に支払っている納付金は、現在のところ激変緩和措置の適用を受けて低く抑えられていますが、今後、この激変緩和措置は段階的に縮小され、令和8年度までに終了することとなっています。また、令和6年度においても歳入不足が見込まれ、さらに令和7年度には頼みの財政調整基金が底をつく見込みであり、非常に厳しい状況が続くことが予測されます。
そのため、国民健康保険制度を健全に運営していくためには、国民健康保険税率を上げることを検討する必要が生じています。
国保加入者は、人口減少などの影響で年々減少し、その一方で、1人あたり医療費は、医療の高度化や加入者の高齢化などにより増加しています。
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