■宇城市から世界へ_。
◆林 優希 Hayashi Yuki
平成11年生まれで小川町在住のeスポーツプレーヤー。令和6年9月にeスポーツチーム Saishunkan Sol 熊本に加入。EA SPORTS FC 部門(サッカーゲーム)に選手名「Hayashi」として登録。2024年アジア大会3位など数々の成績を残す。普段は地域おこし協力隊として宇城市のeスポーツ施設「うきのば」の運営に携わり、デジタル支援、情報格差の解消などの活動を行う。
◇eスポーツの世界へ
小川町にある市のeスポーツ施トフォンの設「うきのば」でお年寄りにスマー使い方を笑顔で教えているのは林優希さん。地域おこし協力隊として「うきのば」の運営に携わる傍ら、サッカーゲームのアジア大会3位などの成績を残している、世界で活躍するプロのeスポーツプレーヤーだ。
林さんがeスポーツの世界に足を踏み入れたのは3年前。子どもの頃からゲームが好きで、サッカーゲーム仲間の非公式で行われる大会を楽しんでいた。
ある時、ゲーム仲間の誘いで、チームの一員として復興大臣杯「e復興サッカー選手権」に出場すると、なんと優勝。今度は、個人で出てみないかと誘われ、初めて出場したアジア大会で5位。その後林も各大会で好成績を収めた。
林さんが主戦場とするeスポーツのタイトルは海外で大人気のサッカーゲーム「EA SPORTS FC」シリーズ。競技人口も年々増加傾向にあり、毎年レベルが上がっている。「EA SPORTS FCシリーズは、毎年多くの20代前半の若者が参入してくる世界。私も25歳なので位置的には中堅です。そのため、対戦相手への対策や新しいゲームソフトの研究は欠かせません。」とeスポーツの世界の厳しさを話す。
自身の性格を「対人型のゲームが好きで、相手との駆け引き、読み合いが楽しいです。負けず嫌いな性格で勝つまでやってしまうタイプですね。」と語る。その言葉通りプレー中は普段の穏やかな表情は消え、真剣そのもの。絶対に負けないという意志が見える。
◇地域おこし協力隊として
令和5年7月にはeスポーツ協会から「うきのば」を薦められ、地域おこし協力隊として運営に携わることに。eスポーツがまだ世に浸透していなかったこともあり、林さん自身、施設も狭く閉鎖的な場し所をイメージしていた。
しかし、実際に施設を訪れてみると明るくて広く、機材が整っていることに驚いたという。「単純に『すごい』と感動しました。ちょうどこれからeスポーツを頑張ろうと思っていたタイミングでもあり、自分のスキルが人の役に立つかもしれない、逆にうきのばの運営を経験することで自分に身に付くスキルがあるかもしれないと考え、協力隊に入ることを決めました。」と当時の思いを語る。
協力隊では、イベントの企画やポスター制作など初めて経験するものばかり。しかし、やりがいも多かった。「うきのばによく遊びに来る小学6年生の子は、夢中でプログラミングを勉強してくれて、今では2時間くらいで簡単なゲームが作れるまでに成長しました。保護者の人からも『ここに来てよかった』と感謝され、とても嬉しく思いました。」とその顔には笑みがこぼれる。
「運動が苦手でも、ゲームやプログラミングなら得意な子どもたちにとって、「うきのば」が「好き」や「得意」を見つけるきっかけ、自信につながってくれると嬉しいです。」と「うきのば」の可能性を語る。
◇子どもたちへ伝えたいこと
林さんは、市内の小中学校でプロeスポーツプレーヤーとして職業講話、体験の活動も行う。「eスポーツプレーヤーのことを話しますが、そればかりを目指してほしいとは思いません。eスポーツは、それに携わる仕事がたくさんあって、プレーヤーだけではありません。好きなこと、なりたいものに対して視野を広く持っていろいろな仕事にアンテナを張ってもらいたいと思っています。」と自身の思いを語る。
今の林さんの目標は今年のeスポーツの世界大会に出場すること。「世界トップレベルの実力を肌で感じてみたい。」と語る林さん。プロeスポーツプレーヤー、そして、地域おこし協力隊としての林さんの今後の活躍に期待が高まる。
◆Hayashi選手の情報はこちら
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・YouTube
※詳しくは本紙P.12,13をご覧ください。
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