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宇輝人vol.92

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熊本県宇城市

■さまざまな人たちが訪れるこの場所から三角を元気に
[園田雄我 SonodaYuga]
平成13年生まれ。三角町戸馳出身。中学までを三角で過ごし、パイロットを目指すため、国内の航空学校へ進学。新型コロナウイルスの流行で、飛行訓練が中止となる。その後、九州海技学院を経て、天城汽船に入社。船員をしながら、カフェを経営する。
◇天城鐡道
三角町三角浦1159-153
【電話】090-3195-9902

◇ふるさとへの思いを実現
懐かしい雰囲気漂う三角駅周辺。そこから一本入った路地裏の一角に真新しいカフェがある。コーヒーやケーキと共に鉄道模型を楽しめる「天城鐡道(てんじょうてつどう)」。
地元である三角を活性化したいという思いで、昨年10月に23歳の若さでこの場所を作ったのが園田雄我さん。「周囲からは反対されました。」と苦笑いする。
カフェだけなら確かに難しい。でも、三角には鉄道があり、港では家族連れが遊んでいる。それに何かを加えれば―。
そこで、小学3年生からの趣味である鉄道模型とカフェを融合。来店しやすいよう交通量の少ない路地裏にある空き家を探し、昔の客車をイメージして改装した。
店内に設置している鉄道模型のジオラマは全長約9mもあり、県内最大級。客層は0~90歳と、幅広い。地元をはじめ、国内は横浜や大阪、海外はスイスや韓国などからも客が訪れる。
「さまざまな人が訪れるので、日々新しい交流が生まれています。」とうれしそうに語る園田さん。鉄道は時代を物語り、年代で利用した車両も違うため、お互いの思い出から、新しい発見ができると話す。

◇三角を思う原動力
地元への思いをより強くしたのは航空学校在校時。飛行訓練で日本各地を訪れると、それぞれで観光に力を入れていると感じた。その中でも、福島県いわき市が特に印象深いという。
港や市場、鉄道、温泉もあり、地元三角と似た雰囲気。東日本大震災で被災し、がれきで埋め尽くされた街の様子が写真に残されていた。被災した人たちは、観光や地域活性化どころではなかったが、それをはるかに超えた復興とまちづくりを実現させたことに感銘を受けたと振り返る。
「いわきは、津波で街が流された中でも、にぎわいのある町を作り上げた。三角だって同じ港町だけど、現状に甘えている。人口減少で廃れていると言っているようでは、話にならないと感じました。」と真剣な眼差しで語る園田さん。
福島での体験が、より故郷のまちづくりへの思いを募らせた。妻で店長のあゆみさんも「三角は何もないというイメージだけど、まずはそこを変えていきたい。」と気持ちは同じだ。
利便性だけが全てじゃない。高台から望む三角西港や船から見る町の景色は、最高だ。「この町の良さを伝えられるのなら、地の果てでも行きますよ。」と園田さん。
県外の人には、自作の名刺で三角を紹介する。「あの宇城市の三角ですね。」と言われるように。故郷に対する園田さんの思いは尽きることはない。

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〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

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