■一歩、踏み出せる手段としてチャットで話を聞く「あなたのいばしょ」。
一日1500件近くの相談を受ける団体の代表大空さんに話を聞きました。
◇あなたのいばしょ[NPO法人あなたのいばしょ 理事長 大空幸星(こうき)さん]
日本で初めて「孤独対策」を提唱。積極的な政策提言を重ね、政府は令和3年2月に「孤独・孤立対策担当大臣」を設置した。
厚生労働省登録相談窓口として24時間365日匿名チャット相談を運営し、1日約1,000~1,500件、開設当初から3年半で約85万件の相談を受けている。
無料のチャット相談窓口の中で、24時間・365日、誰でも匿名で、世界中からアクセス可能なのは日本で唯一。
◇チャット相談の需要とは
私たちはチャットの形態を法人運営当初から選んでいます。
子どもの自殺は、令和4年に全国で514人と過去最高を更新。大人の場合は一時期全国で3万人を超えていましたが、コロナ禍で若干変動はあったものの、その後2万人台まで減少しています。
一方、子どもたち若年層の自殺は増えきたんですね。法人を立ち上げた令和2年には全国で499人。この時も過去最高でした。出生数が減っている中で、さらにこうした数字があるわけなんです。
自殺に限らず、いじめの認知件数や不登校の数、虐待の通告件数、こういった数字も軒並み過去最多なんですね。
基本的には支援というと、対面や電話が中心で、チャット相談をできるところが非常に少ないのが現状です。
しかし、今の世代の子どもたちは生まれた時からSNSがある。いわゆるデジタルネイティブ世代です。若年層の生活習慣とか文化、慣習にあった相談手法を提示していかなきゃいけない。そこで、私たちはこのような形式をとっています。
◇協定締結後の展望
協定締結は宇城市で2例目ですが、具体的に行政と連携して、各種支援プログラムを実施するのは初めて。私たちとしても、ぜひ、先進的な事例をどんどん作っていきたいと思っています。
というのも、孤独・孤立を含めた福祉の課題は複雑・複合化していて、行政だけで問題に対処できるような事態ではなくなっています。一方で、私たちのような民間の相談窓口も、行政と連携して初めて支援できることが数多くあるのも事実。そうした二つの側面から、お互いに連携することで、これまでなかなか手の届かなかった人が、民間団体の支援につながっていくというのは、非常に意義があると思います。
一つ好事例ができるとそれを見て、今度は自分も相談してみようと、好循環が生まれてくることも。それを作っていくというのをまず、していかないといけません。
◇ちょっとしたことでも
孤独・孤立は全ての人が人生のどこかで陥る可能性があるもの。孤独感は特に、その可能性があるといわれています。
それは、日々の小さなもやもやなどでも、その時に何らかの「つながり」にアクセスできれば、問題の長期化を防げるということが分かっているんです。だからこそ、ちょっとしんどいなと感じた時には、ぜひ相談していただきたいです。
相談することで具体的に問題が解決したり、気持ちがちょっと楽になったりすることはたくさんあって、私たちの相談窓口でも、相談者から毎日たくさんの感謝の気持ちを頂きます。なかなかできないような仕組みが宇城市で始まっているので、ぜひ一歩踏み出して、このチャット相談を利用してほしいです。そして私たちもそこで終わりではなくて、最後までその人の問題を一緒に考えながら解決していきたいと思っています。
人に頼ることは恥ずかしくもないですし、負けでもないということが、ぜひ伝わったらいいなと思いますね。
◇一言つぶやいてみませんか 相談完了までの簡単5step
[step 01]
トップページの「いますぐ話してみる」ボタンをクリック。
[step 02]
利用規約を読んで、同意し、「いますぐ話してみる」ボタンを押してください。注意事項は『やさしいにほんご』で読むこともできます。
[step 03]
「チャットをはじめる」ボタンを押すと、相談がはじまります。いくつかの質問に答えた後に、自分の相談内容を書いてください。
[step 04]
質問に答えた後、相談員を呼び出します。混み具合によっては、しばらくお待たせするかもしれません。自分の相談を書きながらお待ちください。
[step 05]
相談が終わったら、アンケートにお答えください。回答内容は、相談対応の質向上などのために役立てます。
◎相談はこちらから
宇城市版「あなたのいばしょ」(二次元コードは本紙またはPDF版を参照してください。)
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