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■従五位(じゅごい)の位階(いかい)が贈られた柏原太郎左衛門(かしわばらたろうざえもん)
柏原太郎左衛門は、江戸時代の初めごろに小川町や長崎県長崎市で活躍した豪商です。太郎左衛門は、慶安4年に没した後、生前にオランダからの貿易圧力を解決した「高砂事件(たかさごじけん)」の功労から、大正5年に国のために働いた人として表彰され、従五位の位階※が贈られました。これは、日本人で初めてオリンピックに出場した県出身のランナー、金栗四三(しそう)と同じ位階です。
しかし、なぜ死後265年の月日を経て贈位されたのでしょうか。当時、第一次世界大戦中だった日本は、外国に対し勇敢に戦える見本を示すことが必要でした。そこで、オランダからの不当な関税を強い姿勢で解決したとして、はじめに太郎左衛門と共に行動した浜田弥兵衛(やひょうえ)に従五位が贈られました。その後、ある歴史学者が柏原家に伝わる太郎左衛門に関する数通(すうつう)の記録(柏原家文書)を世に広めたことがきっかけとなり、大正5年に改めて太郎左衛門の功績が認められたのです。
現在、柏原家文書は、郷土資料館に保管され、一部が展示してあります。
※位階とは、国の為に働いた人を表彰する制度
郷土資料館
開館時間:10時~17時
休館日:月・木曜(祝日の場合はその翌日)
住所:豊野町糸石3818
【電話】45-2102
問合せ:文化スポーツ課
【電話】32-1954
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