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■竹崎季長と蒙古襲来絵詞
-元寇って知ってる?(6)-
鷹島(たかしま)(長崎県松浦市)沖の伊万里湾海底(鷹島海底遺跡)から発見された船は、蒙古襲来絵詞(もうこしゅうらいえことば)(以下、「絵詞」)に描かれた元寇船と同じ姿をしていました。これにより、絵詞に描かれた内容は決して誇張されたものではなく、事実に基づいた記録であることが証明されました。
絵詞には、竹崎季長が見た景色が描かれていることが分かったのです。絵詞は、2度にわたる元寇の後の1293年に季長が作らせたものです。
制作後の経緯ははっきりしませんが、絵詞は16世紀ごろには宇土城を拠点としていた名和家(なわけ)が所持し、名和顕孝(なわよしたか)の娘が嫁ぐ際に天草の大矢野家に一緒に渡ったとされます。江戸時代には大矢野家が熊本藩主細川家に預け、明治時代の廃藩置県に伴って大矢野家に返却されました。
その後、明治23年(1890)に大矢野家から皇室に献上。現在は国宝に指定され、御物(ごもつ)として宮内庁三の丸尚蔵館(さんのまるしょうぞうかん)に収蔵されています。
江戸時代から明治時代のはじめには、絵詞を模写して模本を作ることが流行しました。現在確認できるだけで、16本もの模本が存在しています。海東に建立された季長の菩提寺である塔福寺にも模本のひとつ「竹崎季長絵詞」が伝わっています。不知火美術館で開催している企画展では、2つの絵詞、それぞれの複製品を並べて展示しています。原本と模本を見比べて、違いを楽しんでみては。
◇元寇750年特別企画展 蒙古襲来絵詞のリアル-海底に残された元寇-
1月26日(日)まで 9時~18時
※土曜は21時まで
宇城市不知火美術館・図書館
入館無料
◆郷土資料館
開館時間:10時~17時
休館日:月・木曜(祝日の場合はその翌日)
住所:豊野町糸石3818
【電話】45-2102
問合せ:文化スポーツ課
【電話】32-1954
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