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熊本県市町村広報担当者による合同特集「多文化共生の現在地」2

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熊本県山鹿市

■広がる、多文化共生の輪
「見た目が違うから…」「言葉が通じないから…」。このような理由で外国人と関わることを避けていませんか。きっとそれは相手も同じかもしれません。大切なことはお互いに歩み寄ることです。
多文化共生社会の実現に向けて取り組む2団体を取材しました。

◆長洲町「長洲みんなでにほんごひろば」
○「やさしい日本語」による対話が必要
長洲町の外国人人口は総人口の約5%で、そのうち約90%は技能実習や特定技能の在留資格を持つ人です。長洲町では、外国人と日本人が日本語で交流する「長洲みんなでにほんごひろば」が開催され、長洲町地域日本語教室等サポーターとして参加しています。
昨年はJICA(ジャイカ)(国際協力機構)熊本との共同事業で「やさしい日本語」を使った外国人向けの防災イベントを実施。参加者の多くが避難情報を理解できたようでした。
外国人との交流時には先入観を捨て、相手に興味を持つことが重要です。「やさしい日本語」を使って話すことが、お互いの理解を深める鍵となるのではないでしょうか。
リーダー 竹本薫(たけもとかおる)さん(長洲町)

◆水俣市「みなもんくらぶ」
○外国人が地域になじむ手助けをしたい
水俣市では「みなもんくらぶ」を毎月1回実施しています。市内で生活する外国人技能実習生が日本人ボランティアサポーターと一緒に、体験活動を通して日本語や地域での暮らし方などを学び、地域になじんで生活していくことが目的です。日本語や日本の文化について「失敗しても大丈夫」と前向きな気持ちで安心して学べる場所を目指しています。
参加者はそれぞれ国籍も違えば文化も違います。しかし、日本語をもっと話せるようになり、水俣市での生活を楽しくしたい気持ちは同じです。これからも地域住民との交流を通して外国人たちがうまく地域で生活できるサポートをしていきます。
水俣市国際交流推進員 ブレスリン・ジェフリーさん(オーストラリア)

■外国人も日本人も同じ社会を築いていく仲間
熊本市国際交流振興事業団では、国際交流イベントや講座の開催などを通じて、多文化共生社会を目指しています。
事務局長を務める勝谷知美(かつやともみ)さんに話を聞きました。

◆理解の一歩は知ることから
私たちは、自治体の外国人向け日本語教室や協議会立ち上げの支援などをしていますが、イベントや日本語教室はあくまで“きっかけ”です。大切なのは参加者の外国人と日本人がつながること。つながりができれば、次は地域のイベントに参加したり、悩みごとを相談したり、災害時に助け合うことができるようになり共生社会に近づいていきます。
日本人向けの講座では、その地域にどんな国の人がどれくらいいるのか、どんな文化や宗教があるのかなどを伝えています。知ることは理解への第一歩。知らない文化だからと恐れたり偏見を持ったりするのではなく、正しく知り理解を深めることが大切です。

◆熊本県に住む仲間として
外国人や外国にルーツを持つ人たちが熊本に来て暮らし始めたとき、言葉や文化の違いはつきもの。一度の説明で伝わらないときは、言い方や説明を変えてみる「やさしい日本語」で話しかける、翻訳アプリを活用するなどの工夫が必要です。
県内の人口は減少していて、外国人が不足する働き手を担っている一面もあります。“同じ地域に住む対等な住民であり、お互いが同じ社会をつくっていく仲間”として接し、良い関係を築いていってほしいと思います。
近くに住んでいる外国人がいたら、ぜひあいさつをしてみてください。近所付き合いと同じで、あいさつや世間話から交流が始まりますよ。
そして、何気ない会話の中に隠れている外国人の困りごとを見つけたら、県や自治体・私たちに相談してください。

(一財)熊本市国際交流振興事業団
勝谷知美(かつやともみ)事務局長

◆外国人のための相談窓口
○「熊本市外国人総合相談プラザ」で検索。
でんわ:【電話】096-359-4995
ばしょ:熊本市国際交流会館2階

○「熊本県外国人サポートセンター」で検索。
でんわ:【電話】080-4275-4489
ばしょ:県庁本館8階

■WHAT IS やさしい日本語
簡単な単語や文法を使用するなど、日本語が得意ではない外国人住民でも理解できるように配慮した日本語のこと。
阪神・淡路大震災のときに、外国人住民に避難情報や支援情報を十分に届けられなかったことを教訓に「やさしい日本語」が広がっていきました。

○一番の心得は「はさみの法則」
1「はっきり言う」…口をあけて発音する
2「さいごまで言う」…文末まできちんと話す
3「みじかく言う」…短く簡潔に伝える

○やさしい日本語に言い換えると…
「やさしい日本語」には「こうすれば必ず理解してもらえる」という決まった答えはありません。
相手を思いやり、易しい言葉と「分かりやすく伝えよう」とする優しい気持ちで使ってみましょう。

CASE1:出身はどちらですか?
→あなたはどの国から来ましたか?

CASE2:飲食はご遠慮ください
→飲んだり食べたりしないでください

CASE3:貴重品は自己管理してください
→大事なものは自分で持っていてください

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