あけましておめでとうございます。村民の皆様におかれましては、ご壮健で輝かしい初春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
昨年を振り返りますと、元日に石川県能登地地震が発生し、同県輪島市と志賀町では震度7を観測。死者が400人を超える大災害からの幕開けとなりました。改めて、犠牲となられました方々に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。
全国各地で大規模な自然災害が頻発しております。昨年8月8日には日向灘沖においてマグニチュード7.1の地震が発生し、気象庁から初めて「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が発表されました。本村は「南海トラフ地震防災対策推進地域」に指定されており、これは他人事や絵空事ではなく、現実に直面する危機であることを認識し、村全体で防災に対する意識を高めていかなければなりません。
国内では、石破茂新内閣が発足しましたが、政治とカネの問題、政治資金規正法、年収103万円の壁、選択的夫婦別姓の実現など問題は山積しており、30年ぶりの少数与党内閣の中で難しい政治展開を迎えております。米国においては、共和党のトランプ次期大統領が程なく新政権を発足させますが、自国利益第一主義による外交安保政策・経済政策から、先の見通せない不安が付きまといます。
そのような中、本年も懸念される物価高騰でございますが、金融市場においては、金利の高いドルが買われて円安ドル高が進むと、日本にとっては輸出企業の業績を上向かせる一方、原材料の輸入価格が上昇し今以上に物価が押し上げられるため、賃金上昇が物価上昇を安定的に上回る経済の早期実現が望まれます。
地方では、少子高齢化と人口減少が最も深刻な問題であり、公共サービスや社会インフラ、地域コミュニティーの維持が困難になるのではないかとの危機感が年々高まっております。行政の財政的・人的資源にも限りがあるため、村民一人ひとりが「公的領域は行政の仕事」という考え方を改め、むらづくりに積極的に参加していくことがますます重要となってまいります。
本村においては、コロナ禍にあっても一貫して地方創生を発展させる姿勢を崩さず、新しい人の流れをつくり、交流人口を拡大させてきた独自の政策が実を結ぼうとしております。今後も新たな民間活力を獲得しながら、地域課題の解決に向かうスピードを上げていくことが求められているものと解釈しておりますが、それには村民の皆様の参画と深いご理解が不可欠でございます。私ども議会は、村民の皆様の付託に応えるべく、議会活動を豊富化しながら、執行部とともに地域課題の解決に真摯に取り組んでまいります。
最後に、本年の干支は「巳」でございます。中国の歴史書『漢書律暦志』では、草木の生長が極限に達し、次の生命がつくられはじめる時期とされております。地方創生の効果が発現し次の生命がつくられる、まさに巳年を体現する年になることを期待申し上げて、新年の挨拶とさせていただきます。
水上村議会議長 那須 良策
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