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町長伝言板「海外見聞録」

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熊本県氷川町

去る十一月六日から十四日まで、熊本県人ペルー移住一二〇周年記念式典出席のため、片山裕治町議会議員及び職員と共にペルー共和国の首都・リマ市を訪問しました。五年前の一一五周年式典及び四年前の熊本県人会創立一〇〇周年式典に続き、三回目の訪問となりました。
羽田空港からヒューストン空港を経由し、リマ空港に着くまで約一日半の空の旅はさすがに疲れました。
翌日の午前、木村熊本県副知事及び渕上熊本県議会議長一行と合流し、日系人で建設した体育施設ラ・ウニオン設立七〇周年式典に参加いたしましたが、秋篠宮佳子内親王も来賓としてご臨席されており、お会いすることができ感激いたしました。
その後、日秘協会会長をはじめ、熊本県人会役員を表敬訪問いたしましたが、三回目の訪問のため、面識のある方が多数おられ会話も弾み、親睦を深めることができました。また、日秘会館内に故平岡カルロス千代照氏の胸像が建立されることとなり、その除幕式にも参列いたしました。同じ胸像が竜北西部小学童保育所にも設置されており、世界に二つだけの胸像が、氷川町とペルー熊本県人会との友好のシンボルになることでしょう。
四日目は、在ペルー日本国大使館を表敬訪問、山元特命全権大使と面会し、最近のペルー情勢やペルー社会における日系移民の活躍についてお聞きするとともに、ペルーからの留学生の受入れ拡充や技能研修制度の確立等について懇談いたしました。その後、平岡ルイス熊本県人会名誉会長が経営されている電気店を視察、多くのお客様が来店されており、その賑わいに一同驚きました。
五日目は、多国籍の児童が通うサンホセ・デ・モンテリコ小学校を視察、充実した教育環境と子どもたちの笑顔に触れることができました。くまモンがサプライズで登場すると騒然となり、くまモン人気の高さを知りました。夕方、今回の訪問の目的である熊本県人ペルー移住一二〇周年記念式典に参加しました。式典会場はリマ市内のゴルフ場の一角に特設会場を設け、式典には、前日お会いした山元在ペルー日本大使をはじめ、多くの外交官も出席され、私も氷川町を代表して祝辞を述べさせて頂きました。
そして、今回の訪問のもう一つの目的でありました故平岡カルロス千代照氏への名誉町民及び町民栄誉賞の称号授与を行いました。息子の平岡名誉会長夫妻も氷川町からの名誉に感激され、心温まる謝辞を述べられました。熊本県人会の皆様のペルー社会における貢献の大きさ、故郷熊本を想う気持ちを改めて感じさせられた素晴らしい記念式典でありました。
六日目は、平岡名誉会長の別荘で、地元県人会の役員家族、ブラジル及びメキシコ県人会役員を招いての交流会に参加し、ペルーの伝統的な料理パチャマンカを食しました。
その席で、木村熊本県副知事より故平岡カルロス千代照氏の生涯を教育の現場で熊本の子どもたちに伝えていきたいとの発言があり、私からも今後、熊本県と協力してその方法を模索したい旨を伝えてまいりました。
それぞれの交流を通して、県人会の皆様のふるさと熊本への望郷の想いの深さを改めて感じ、故郷を離れて暮らす地元出身の皆様が誇れる町を築いていかなければならないと決意を新たにする旅となりました。

■ペルー共和国(首都 リマ)
面積:約129万平方キロメートル(日本の約3.4倍)
人口:約3,297万人(2020年)
言語:スペイン語
日本との時差:マイナス14時間

■故・平岡カルロス千代照氏に氷川町名誉町民称号と町民栄誉賞を授与
故・平岡カルロス千代照氏は、南鹿野地区出身。1930年代にペルー共和国に移住後、現地経済界や地方行政などさまざまな分野で活躍し、同国ワンタ市長やペルー中央日本人協会会長など多くの要職を務めました。郷土愛にもあふれ、母校竜北西部小学校へのピアノの寄贈、日系人によるリマ市への日本庭園の寄贈への尽力など郷土と同国との交流発展への功績も多岐に渡っています。

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