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つなぐゆのまえ-人権のひろば-

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熊本県湯前町

■基本的人権の尊重
地域人権教育指導員 窪田龍記(たつき)
日本国憲法には(1)国民主権(2)平和主義(3)基本的人権の尊重という3つの原則があります。太平洋戦争後、新しい日本をつくる3つの重要課題の1つに基本的人権の尊重が位置づけられました。
基本的人権については、憲法の条文の中に数多く定められています。憲法は国のきまりの大本(おおもと)であり、そこに定められているさまざまな権利に守られて、私たちの暮らしや社会が成り立っています。
憲法第11条には「基本的人権は国民のだれもが持っているものであるから、国家から侵害されない。この憲法はどこまでもそれを守り続ける(意訳)」とあります。『私たちは、憲法に規定されているから人権保障は心配ない』と考えるのではなく、互いの人権を守るために努力を重ねていかなければ、憲法に定められているはずの人権も名ばかりになってしまうということを押さえておきましょう。
憲法第97条には「憲法は、国民の基本的人権を守ることを約束する。この基本的人権というのは多くの人々の努力の結果であり、そうしてつかみ取ったこの権利は、現在そして未来の国民に受け継がれる、侵すことのできない永遠の権利である(意訳)」と基本的人権の本質を捉えています。基本的人権は人類が長い年月をかけた努力の歴史のうえに手に入れたものであり、世界の国々にも共通して言えるものとなっています。
では、憲法が定める基本的人権にはどのようなものがあるのでしょうか。おもに次の5つに分類できます。

このように、憲法では私たちのさまざまな権利が保障されていますが、決して無制限なものではありません。例えば「表現の自由」が認められていても他人を誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)することは許されません。人権は人間らしく生きていくために必要なもので、誰かを傷つけるためのものではありません。「公共の福祉」という考え方で調整が図られるようにもなっています。
現在も日本は目まぐるしく変化し続けています。変化とともに人権課題も多種多様になっています。プライバシー保護や環境権、知る権利、自己決定権など、新たな人権も注目されるようになっています。
ただ、どれだけ時代が移り変わっても大切にしなければいけないものは変わりません。「互いの人権を尊重する」という当たり前のことを次の世代へ正しく伝えていくことが、今を生きる私たちの大切な役割です。

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