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芸の道へ 夢追い人エンブンの挑戦

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熊本県湯前町

プロのお笑い芸人を目指して東京で活動中のエンブンこと、黒﨑友一(ゆういち)さん(37・中里2出身)。夢を追い続ける中で見た景色、感じたものは―。

■桂竹紋(40・菊陽町出身)
本名:江口幸久(えぐちゆきひさ)
落語芸術協会所属の落語家。階級は二ツ目。師匠は桂竹丸(たけまる)(真打)。落語家になる前は県内でお笑い活動やローカルタレントとして活動。県内でお笑い活動をしたい人を募集していたときに黒﨑さんが声をあげた。以降、黒﨑さんとは10年以上の付き合いとなる。

■金木犀茶々(34・山鹿市)
本名:工藤彩友美(くどうあゆみ)
山鹿市在住の社会人落語家。2022年、初めて落語を観に行ったとき、桂竹紋さんの落語に感動。同日に初稽古(はつげいこ)をつけてもらったことがきっかけとなり、社会人落語家に。月に1回、山鹿温泉さくら湯で開かれる「やまが温泉落語」などに出演。

黒﨑さんは昨年12月9日、湯前町観光物産協会『湯~とぴあ』で寄席(よせ)を開催。50人ほどの観客を前に漫まんだん談を披露し、笑いを届けました。寄席には黒﨑さんが「10年以上の付き合いがある先輩」と慕う落語家、桂竹紋(かつらたけもん)さんと、竹紋さんがきっかけで落語を始め、現在社会人落語家として活動している金木犀茶々(きんもくせいちゃちゃ)さんも出演。磨き上げられた技で落語の魅力を広めました。
「ただ故郷に帰るよりも、ステージや寄席みたいなものを開いた方が芸事のためになる。小規模でいいからやってみよう。力を貸すよ」という竹紋さんの一言から、今回の寄席を計画。3人でまちに訪れてチラシを配ったり、家族や地域住民の力を借りながら準備を進め、当日の会場は満員御礼となりました。

■ラジオが夢のきっかけ
「中学生のとき、ラジオ番組『ナインティナインのオールナイトニッポン』の中で、私が送ったネタハガキが読まれたことがあり、とても感動した。生まれて初めて何かを勝ち取った気がして、お笑いに興味を持つようになった」と、お笑い芸人を目指そうと思ったきっかけを話す黒﨑さん。県内でお笑い活動をしている人たちと出会い、仕事をしながらお笑い活動を続けていましたが、2022年に決意を固め、上京しました。

■上京して感じたこと
修行の日々を送る今、黒﨑さんが感じていることは「舞台に立つとき、ただやるのではなくプロ意識を持つことが大事だ」ということ。「プロになることよりも、プロ意識を持ってステージに立つことが何よりも大事で難しい。自分のしたいことと、お客さんが望んでいることの違いを考えていると、何が重要かわからなくなるときがあるが、葛藤(かっとう)や大変さがあるからこそ成長がある」という気づきを胸に励んでいます。

■「一人前」と言えるように
黒﨑さんの夢は「自分で『一人前の芸人だ』と言えるようになること」。「自信を持つことが必要。自信があれば堂々とステージに立てる。堂々と芸を披露することができれば、いつでもどこでも華やかなステージにすることができる。どんなステージでも華やかにできる芸人になりたい」と続けました。夢を叶えるために、第一の目標は「知名度を上げる」こと。舞台でネタを磨きつつ、YouTube(ユーチューブ)などのSNSを利用して知名度UP(アップ)を図ります。

■故郷での感動を励みに
寄席の終了後「まちぐるみで協力してもらい、たくさんのお客さんに来てもらえて、うれしかったし、感動した。さらに広げていけるように頑張っていきたい」と感想を話した黒﨑さん。「今後も年に3回程度を目標に、湯前町で寄席を開きたい」と新たな目標を掲げました。
故郷でのお笑い活動をきっかけに花開くか。夢に向かって黒﨑さんの挑戦は続きます。

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