◆こどもの心疾患と学校心臓検診
・熊本市立熊本市民病院
小児循環器内科 部長 西原 卓宏
学校での心臓検診は法律で定められていますが、今回はこどもの心疾患と学校心臓検診について、小児循環器内科の専門医にうかがいました。
◇こどもの心疾患には、どのような病気がありますか。
最も多いのは先天性心疾患で、心臓や血管の構造が生まれつき正常と異なる病気です。その他には、心臓のリズムの異常である不整脈、心臓の筋肉の病気である心筋症、肺動脈の血圧が高くなる肺高血圧症、川崎病による冠動脈の病気などがあります。
◇心疾患では、どのような症状がありますか。
先天性心疾患はチアノーゼや心雑音で気づかれることが多く、不整脈では動悸(どうき)を自覚することがあります。その他の症状としては、運動により息切れや疲労感が強くなったり、胸痛を自覚して心疾患が見つかる場合もあります。
◇学校心臓検診とは、どういうものですか。
小学1年、中学1年、高校1年の全生徒を対象に行われる心臓の検診を学校心臓検診といいます。熊本県では独自に小学4年でも行っています。学校心臓検診では、アンケート調査、内科診察、心電図検査などを行います。
◇検診で異常を指摘されたときは、どうすればいいですか。
指定された医療機関で二次精査を受けることが必要です。多くの場合は経過観察となり、運動制限などが必要になることは少ないですが、さらに精密検査が必要な場合は、小児循環器内科の専門医療機関への受診が必要になることもあります。安心して学校生活を送るために、きちんと二次精査を受けてください。
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