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[特集]熊本市電100周年

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熊本県熊本市

◆くまもとの街とともに100年。これからもご一緒に。
熊本市電は大正13(1924)年8月1日に開業し、多くの方に支えられながら、今日まで走り続けてきました。
8月号では100年の歴史を振り返るとともに、次なる100年を見据えた市電のビジョン、そして開業100周年記念事業についてご紹介します。

◇熊本市電100年の歩み
・大正13(1924)年8月1日 開業
開業時の路線は熊本駅前~花畑町~水道町~浄行寺町と、水道町~水前寺でした。開業初日は花電車2両が運行され、市内で多くの催し物が開催されるとともに3万人以上が乗車。電停に電車が到着するたびに多くの人が乗り込み、車内は身動きが取れませんでした。
それでも乗りたい人は窓に腰掛けたり、バンパーの上に立って乗車。「お急ぎの方はお歩きください」が流行語になりました。

・昭和3(1928)年~ 路線の延長と戦争突入
開業から4年後となる昭和3(1928)年3月には、新たな路線で運行がスタート。その後ニーズの高まりもあり、次々と路線が延長されました。やがて日本の軍国化が進み戦争状態に突入すると、徴兵や軍需工場徴用で男子乗務員が不足。市電では女性の車掌や運転士が登場し貴重な戦力となりました。

・昭和32(1957)年~ 最盛期
市内交通の主役となった市電は、昭和32(1957)年度には一日平均乗客数が10万人の大台を突破。昭和34(1959)年12月には田崎線も開通して、営業路線長は25.0kmにまで達しました。
しかし国内は高度経済成長の時期でもあったため、人件費の高騰、諸物価の急上昇、マイカーの増加などの社会的な事情により徐々に市電の地位が揺らいでしまいました。

・昭和45(1970)年~ 忍耐期
マイカー増加の影響を受け雪だるま式に増える赤字に対応するため、不採算路線を廃止。一方で、朝のラッシュ時の積み残しに対応するため輸送力がある1000型連節車4編成を購入したり、日本の路面電車では初めての冷房車をメーカーと共同開発し導入するなど、ニーズに応じた高性能電車の導入で乗客増につなげてきました。

・昭和57(1982)年~ 第1改革期
全国に先駆けて挑戦的な取り組みを行ってきた熊本市電。昭和57(1982)年には日本初の交流モーター車両を導入。さらに平成5(1993)年には、市電開業70周年記念事業としてレトロ調電車101号が登場しました。また、平成9(1997)年8月1日から、ドイツの技術を使用した超低床電車の運行を日本で初めて開始しました。

・平成16(2004)年~ 第2改革期
市電開業80周年となる平成16(2004)年8月には、専用ホームぺージの運用を開始。平成29(2017)年3月にはパソコンやスマホで現在の市電の位置や系統別、車両の種別もわかる「熊本市電ナビ」の運用をスタート。さらに市電開業90周年を記念し、車両デザインの専門家である水戸岡鋭治さんが手がけた「COCORO」の運行が始まりました。

◇100周年を迎えて
熊本市電は、大正13(1924)年8月1日に開業し、本年で100周年を迎えます。長年にわたり熊本市電をご利用いただいております市民の皆様に心より感謝申し上げます。
大正13年の開業以来、多くの市民の皆様に支えられながら熊本の街を走り続けてまいりましたが、昭和40年代に入るとモータリゼーションの進展等に伴い、複数の路線が廃止となり、現在、2系統で運行を行っています。
このような中、本市では、公共交通を基軸とした街づくりを進めており、市電の延伸をはじめ、3両編成の新型車両の導入等の利用促進に向けた取り組みを進めるとともに、上下分離方式導入の検討を行うなど、市電が持続安定的に運行できるよう取り組んでいます。
一方で、今年に入り、重大事故につながりかねないインシデントが立て続けに発生していることについて、非常に危機的な状況であると大変重く受け止めています。市電をご利用いただいている皆様をはじめ、市民の皆様に対しまして、深くお詫び申し上げます。
今後も、熊本市電が市民の皆様にとって、もっとも身近で便利な移動手段として、安全・安心にご利用いただけるよう安全対策に全力で取り組み、皆様の社会生活を支えてまいります。
熊本市長 大西一史

◇開業100周年記念事業を開催中!
・記念グッズの販売
(株)トミーテックが全国各地の鉄道で働く女性をモデルに制作した「鉄道むすめ」の1人で、市交通局のPRキャラクター・辛島みく。これまでにさまざまなオリジナルグッズを販売し人気を呼んできました。さらに、100周年を記念し新グッズ4点を販売中なので要チェックです!

・「100年後の市電」こども絵画コンクールの受賞者発表
未来を担うこどもたちが、「100年後の市電」をイメージして作り上げた創造性あふれる絵画作品の中から、最優秀賞や優秀賞など計21点の受賞作品を選定。受賞作品は、8月9日~21日の期間、市役所1階ロビーに展示。また今後、受賞作品は市交通局ホームページや車両内、電停などでご紹介予定です。

・ビアガー電の運行!
運行期間:~9月27日(金)の金曜のみ運行
料金:1人4,000円(ビール3杯、おつまみ付き)
開業100周年を迎える今年のビアガー電は、高橋酒造株式会社の米焼酎「百」との『100×百』コラボを実現!1杯(50ml)を300円で提供します。また、ご乗車の方に「升(熊本市電開業100周年オリジナルデザイン)」をプレゼント。100年を迎える節目の夏に、今までにない特別なビアガー電を体験してみませんか。

◇新型車両を導入します!
バリアフリーに対応するとともに、朝夕ラッシュ時の満車で乗車できない状態の解消につなげる「超低床形多両編成車両」を令和6年・7年で各2台、計4台新規導入予定です。

新車両の特徴:
(1)現行車両の平均定員72人に対し、約1.5倍の定員設計(112人)
(2)実用的で座りやすいロングシートを全席採用
(3)熊本城をモチーフにしたシンプルなデザイン

問い合わせ:熊本市交通局
【電話】096-361-5233

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