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自治体の皆さまへ

専門医に聞く医療の話

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熊本県熊本市

◆膵(すい)がんについて
・熊本市立熊本市民病院
消化器内科 科長 階子 俊平

難治がんの代表である膵がんは年々増加しており、皆さんの関心も高まっています。今回は膵がんの診断・治療のポイントについて、専門医にうかがいました。

◇膵がんとは?
膵がんは早期発見が難しく、進行も早いがんです。2023年の人口動態統計では、がんの種類別による年間死者数で胃がんを抜いて第3位となっており、年間約4万人の方が膵がんで亡くなられています。

◇特に膵がんに注意すべき人は?
糖尿病発症時や増悪時、膵のう胞や慢性膵炎がある方、膵がんの家族歴がある方などはリスクが高いことが分かっており、検査を受けることをおすすめします。

◇膵がんの診断法は?
血液検査では腫瘍マーカーであるCA19-9に加え、最近APOA2-iTQという新しいマーカーが測定できるようになりました。画像検査では腹部超音波検査(エコー)やMRCP検査などで膵がんを疑う変化(膵管狭窄・拡張、膵のう胞、胆管拡張など)の有無を確認します。疑わしい場合は、より詳しく局所の観察ができる超音波内視鏡検査などで腫瘍の有無を確認していきます。

◇膵がんの治療法は?
CT検査などでがんの広がり具合(特に周囲血管への浸潤の程度と遠隔転移の有無)を確認し、手術・抗がん剤・放射線(粒子線)治療の中から単独あるいは複数の治療法を組み合わせて行います。どの病院で検査・治療したらよいかを悩まれる場合は、「日本膵臓学会」が認定している指導医が在籍している施設での受診を検討されると良いと思います。

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