◆託麻まちづくりセンター管内にある指定文化財探訪
皆さんは、住んでいる地域の文化財についてご存じですか。
今回は託麻まちづくりセンター管内にある市指定の文化財について紹介します。
まずは、市の有形文化財として指定されている2つの建造物。
1つは、小山諏訪(おやますわ)神社境内にある正平塔(しょうへいとう)(石燈籠)です。小山諏訪神社自体も歴史がある建物なのですが、この正平塔も歴史が古く、正平12(1357)年の南北朝時代に建てられたものです。石燈籠は献灯のために使われるもので、塔身部には、仙人が魚を釣っている様子や昇龍・雲龍が彫ってあります。また、南北朝時代の南朝方の年号が銘記されており、当時のこの地域は南朝方の勢力範囲であったことがわかる貴重な歴史の資料となっています。作者の藤原助次は南北朝時代の名工で、作品の中には国の重要文化財に指定されたものもあり、技術の鍛錬をしのばせる塔であります。
もう1つは日向六地蔵塔(ひむきろくじぞうとう)です。これは文明14(1482)年に建てられたもので、六道(りくどう)救済(死後に生まれ変わるとされている6つの世界のどこにいても救いの手を差しのべるといわれる)の石仏で、菊池-戸島-木山-御船を結ぶ旧道(日向薬師湟通(ひむきやくしこうどお)り)の道行く人の道路標識と安全祈願を兼ねて建てられたと言われています。
次に、市無形民俗文化財を紹介します。上南部乙姫神社で行われる上南部肥後神楽は、安永3(1774)年、春から夏にかけて疫病がはやり、これを退治するために舞ったという言い伝えがあります。現在は毎年10月25日の大祭の際に社殿で奉納されており、神秘的な空気に包まれ、雅楽楽器の音色に合わせた舞の姿に魅了されます。
自分が住んでいる地域にある史跡、昔から存在している地域の財産を調べてみて、その土地の文化や歴史に触れてみませんか。
参考文献「たくまふるさと大学II・III」
問い合わせ:託麻まちづくりセンター
【電話】380-8119
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