〈特集〉サテライトオフィス誕生 仕事に 文化に 勉強に ここから広がる輪・話・和(1)

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■新風が吹き込む　生き生きした地域に
ことし、玉名市に2つの新たな施設が誕生しました。その名は「HOME(ホーム)(玉名駅前)」と「Mizumоtо Orange Cоwоrking Garden(ミズモトオレンジコワーキングガーデン)(天水地区)」。どちらも玉名市サテライトオフィス等拠点整備支援補助金を活用して公民連携で立ち上げ、運営しています。
本市で活動するさまざまな人を対象に、仕事はもちろん、地域の文化活動や学生の勉強スペースとしても利用可能。この2施設を中心に、県外・市外から本市への新たな企業や人の流れを作り、雇用の拡大や企業同士の連携による生産性の向上などにつなげることで、地域の活性化を図ります。
2施設を運営する事業者に話を伺い、施設開設にかけた思いや施設の概要をお伝えします。

*サテライトオフィス…企業本社から離れた場所に設置されたオフィス
*コワーキングスペース…異なる職業や個人が共に働くスペース

□HOME
JR玉名駅の向かい側にあるサテライトオフィス・コワーキングスペースです。近くには銀行やコンビニエンスストア、ビジネスホテルなどがあり、車がなくても便利な立地です。駅内にはレンタサイクルもあるので、少し離れた場所の用事も済ませられます。

□Mizumoto Orange Coworking Garden
天水町小天のミカン農園の敷地内にあるサテライトオフィス・コワーキングスペースです。天水では古くからミカン栽培が行われており、山腹にはミカン畑が一面に広がります。また、夏目漱石(なつめそうせき)が訪れ「草枕(くさまくら)」の題材にした小天温泉が近くにあり、眼前に望む有明海、雲仙普賢岳(うんぜんふげんだけ)、その向こうに沈む夕日は見る人を癒すロケーションです。

■誰もが気軽に立ち寄れる「ただいま」と言えるような場所―
玉名駅前『HOME(ホーム)』

所在地：玉名市中77-3
営業時間：午前11時～午後7時
休業日：土・日・祝・年末年始
利用料金：
大人　1,100円/1日(3時間以内550円)
学生　110円/1日
会議室利用：1,100円/1時間

JR玉名駅前にオープンした「HOME」は、我が家(ホーム)のように帰ってきたくなる、そして駅のホームのように「誰かの出発を後押しする」そんな場所を目指しています。「0番線(ゼロばんせん)」と名付けたキッチンカウンターもあり、間借り出店やイベント開催などとしての利用も可能です。

□HOMEは「未完成」みんなで作っていく場所
県内上位の乗降者数を誇る玉名駅。駅前の活性化が地域課題に挙がっています。事業者の村木(むらき)さんは「普段は自治体のふるさと納税を担っていて、どんな風に人を呼び込むか、移住定住の面も意識する。大人が生き生きとトライする姿を、地元の子どもたちがHOMEで目の当たりにすることで、将来地元に残るという選択肢を芽生えさせたい」と話します。HOMEは現在、学生の学習スペースとしての利用が多いとのこと。学生が、自由に働く大人と同じ空間に居合わせることで生まれる効果に期待しています。
コミュニティマネージャーの諸岡(もろおか)さんは県外から移住してきた1人。諸岡さんは「市外から来た当事者の一人として、自分が暮らすまちに友人や仕事仲間ができることやそういう場所があることは、このまちにこれからも住み続けたいと思うきっかけになる」と言います。「小さなことを積み重ね、HOMEを日常的に人が来る場所にして、住民が本当に欲しい駅前の姿を作る一つになっていきたい。HOMEは完成された場所でなく、皆さんとつくっていく場所でありたいので、ぜひ『自分だったらこう使う』をどんどん持ち寄ってほしい。皆で使い合うその先で、コワーキングの利用につながれば」と語りました。

*最新の営業スケジュールやイベント情報などは、Instagramで確認できます!

お問い合わせ：
【電話】080-5053-4380
【E-mail】home-tamana@futurelink.co.jp

■天水のみかん山から市内外への情報発信基地に―
天水地区『Mizumoto Orange Coworking Garden(ミズモトオレンジコワーキングガーデン)』

所在地：玉名市天水町小天1128
営業時間：午前10時～午後6時(不定休)
利用料金：
コワーキング　1,650円/1日(1時間550円)
イベント　1,100円/1時間
2階オフィス：
1人席　22,000円/月
2人席　33,000円/月

「Mizumoto Orange Coworking Garden」は、全国的にも珍しい観光農園の中にオープン。農業や食品に興味のある人は、リアルな知見を持った農園スタッフと話ができ、農作業をお手伝いすることも可能です。

□大切な「天水町」を活気づけるための挑戦
「50年を超えた節目に新しいことに取り組みたかった」。そう話すのは、事業者の水本幸也(みずもとゆきなり)さん。ミカン狩りやバーベキューができる観光農園を家族で経営して、ことしで54年目という歴史があります。「農業と聞くと疎遠になりがちな若い世代に興味を持ってもらいたい」との思いで施設整備に取り掛かりました。幸也さんは「玉名に新幹線が通って県外へ働きに出る人が増えたが、それを逆手に取れたらと考えていた。コロナ禍の働き方改革で、職場以外の場所で仕事をする選択肢ができたことと、天水町が『過疎地域』に指定されたことで、人を呼び込む意味でも天水に働ける環境を創り出したら受け入れてもらえるのではないか」と考えました。ただ、施設開設からまだ一度もミカンのシーズンを迎えておらず、利用者の増はこれからの見込み。妻の裕美(ひろみ)さんは「これから施設を知って家族で利用してもらうなど、仕事で利用する人以外の家族が待ち時間に行える、ミカンを使った『親子体験』ができたらいい」と思考中。裕美さんの母で代表取締役の利恵子(りえこ)さんは「私たちがこの施設の運営を始めることで、少しでも人の役に立つ拠点ができ、天水一帯に活気の輪が広がればうれしい」と語りました。

*施設の詳しい情報やイベント情報などは、Instagramで確認できます!

お問い合わせ：
【電話】82-8077
【E-mail】info@mizumotoorangegarden.com