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自治体の皆さまへ

[特集]認知症 ともに歩む(5)

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熊本県玉名市

▼受講者の感想
▽どうすれば地域貢献につながるのか(熊本銀行天水支店)
熊本銀行天水支店営業担当
佐伯直起(さえきなおき)さん
天水支店に来て3年半。

公共性の強い金融機関として、過疎地域に指定された天水地区に何ができるか考えました。お客さまの中にも物を取られたなどの話をされることがあり、どのように対応すべきか迷いました。受講後、認知症にはさまざまな症状があることやコミュニケーション方法を学び、今では接客時にご家族の同席を促すなど普段の対応に生かすことができています。今までは何かあれば警察へ相談するという選択肢しかなかったのが、他にも相談場所があることを知り、安心しました。

■人生の主役はあなた。
あなたらしい生活のためにともに歩む。ともに生きる。

□地域で支えるチームをつくる認知症地域支援推進員
本市では、認知症になっても住み慣れた地域で安心して暮らし続けるために、医師や介護職、地域の人などそれぞれの立場の人がチームとなって支え合う地域づくりを行っています。そこで人と人とをつなぐ役割を持つのが認知症地域支援推進員です。
「認知症の人が安心して暮らせる地域は推進員1人がつくれるものではありません。地域や介護事業所の皆さんの協力のおかげで成り立っています」と話すのは、玉名市包括支援センターに所属し、認知症地域支援推進員を務める楢なら山(やま)さんと瀬戸(せと)さん。
「認知症の人や家族には、大きな不安を抱えながら生活している人もいます。困り事も多種多様。その人らしい生活が継続できるよう思いに寄り添うことを心掛けています。認知症になっても、人生の主人公として豊かな生活を送ってほしいです」と話し「認知症は誰もがなる可能性があるもの。みんなが認知症を自分事として考えることが、安心して暮らせる地域につながるのではないかと思います」と続けました。

□私たちが認知症の人にできること
認知症になったからといって何もできなくなるわけではありません。近所の人や身近な人が認知症になったとき、どのように対応すればよいのでしょうか。
「できていることや本人の強みに目を向け、これまでと変わらないありのままのその人として接するとよいと思います。横にいることや温かく見守ることも本人の安心につながります。本人の気持ちをきちんと聞いて、その人らしい暮らしが少しでも長く続くようサポートしてほしいです。もし困っていることがあれば、抱え込まずに玉名市包括支援センターにご相談ください」

▼認知症相談窓口
▽玉名市包括支援センター
認知症のことだけでなく、介護や高齢者の生活に関する不安や悩みなどについて、その解決方法を探すお手伝いをする高齢者の総合相談窓口です。心配事があったら、決して1人で抱え込まずに、ぜひご相談ください。相談費用はかかりません。
【電話】71-0285
場所:玉名市福祉センター内
対応日:月曜日~金曜日(土日祝を除く)
時間:午前8時30分~午後5時15分

▽熊本県認知症コールセンター
介護の専門職や家族介護の経験者が相談をお受けしていますので、認知症のことで困ったら、どんな小さいことでも、悩まず気軽にご相談ください。65歳未満で発症する「若年性認知症」についての悩みもご相談を受け付けています。
【電話】096-355-1755
定休日:毎週水曜日、年末年始(12月29日~1月3日)
時間:午前9時~午後6時

*「公益社団法人認知症の人と家族の会」でも、全国からフリーダイヤルによる電話相談を行っています。
(【電話】0120-294-456)
(午前10時~午後3時、毎週土曜日、日曜日、祝日は定休日)

□玉名市の認知症事業
・認知症初期集中支援チーム
認知症が疑われる人やその家族などに関わり、専門チームが早期診断・早期対応に向けた支援を行います。まずは玉名市包括支援センターにご相談ください。
・認知症介護者のつどい
介護者のストレス軽減や解消ができるようにボディートークを取り入れて開催しています。相談会も行っています。
・二次元コードシールの活用
見守り情報登録票を作成し、希望者に二次元コードシールを配布。行方不明となる恐れのある人の靴やかばんなどに貼り、行方不明になったときに近くにいた人が二次元コードを読み取ると、警察や包括支援センター、高齢介護課の電話番号が表示されます。
・オレンジセーフティーネット
アプリを使って認知症高齢者を街全体で見守る捜索サービスです。家族が対象者の情報をアプリ上に登録しておき、行方不明となった場合は、あらかじめ捜索協力者として登録している人々に情報が共有され、捜索が開始されます。
※捜索協力者も随時募集中です。玉名市公式LINEから登録申請できます。

◆認知症の人もそうじゃない人も希望を持って暮らせるように。
認知症の人とどう向き合うのか。
「その人を理解して、ありのままを受け止める」
これは、自分に関わる全ての人とのコミュニケーションにも通じるものがあると思います。

認知症は誰もがなる可能性があるもの。
認知症になっても笑顔で安心して暮らしていくために、認知症を「自分事」として捉え備えておくことが必要です。

認知症を知り、正しく理解することで認知症の人やその家族を温かく見守る応援者が増えていくことは、認知症の人だけに限らず誰もが住みやすい地域になっていくことにつながると考えます。

認知症であってもなくても、みんなが安心して暮らせる玉名になるように、お互いを尊重し、やさしい声を掛け合って、ともに歩んでいきましょう。

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