5月31日~6月1日に、市長、玉名市国際交流アドバイザー、市観光物産課金栗四三・ツーリズム推進室長、金栗四三専門官の4人がストックホルムを訪問しました。先月号に続きその模様をリポートします。
■「金栗さん」にマラソン会場から大歓声
ストックホルム訪問の最大の目的は、ストックホルムマラソンでの金かなくり栗トロフィーの贈呈。会場のストックホルムオリンピックスタジアムは、1912年のストックホルムオリンピックのメイン会場として使用され、金かなくり栗四しそう三さんも当時この会場からマラソンコースへ走り出しました。建築当時の姿を残したまま現存している、歴史あるスタジアムです。
今回マラソン参加者の中で金栗トロフィーを受賞したのは、アンダース・サルカイさん。サルカイさんは2001年にストックホルムマラソンで優勝し、オリンピックや世界選手権で活躍。引退後は金栗さんと同じく、国内のランナー育成に努めています。サルカイさんがゴールした後、司会者が「日本の玉名市は『消えた日本人』として語り継がれている日本マラソンの父・金栗四三さんゆかりの地。その玉名市から金栗賞が贈呈されます」とアナウンス。会場は盛大な歓声に包まれました。藏原市長からトロフィーを贈呈されたサルカイさんは「金栗さんの精神を受け継いで取り組んできたマラソンの普及活動を評価され、とてもうれしいです」と喜びを語りました。
市長とマラソングルッペンCEОのデービッド・フリデル氏は面談の中で、次のオリンピックが開催される2028年までは毎年金栗トロフィーを贈呈することを約束しました。
■日本人補習校へ 金栗トロフィー贈呈
市長は日本人補習校を訪問し、金栗トロフィー7体を贈呈しました。このトロフィーは、補習校、ストックホルム日本人会、日本商工会の共催で行われる運動会で7種目それぞれの優勝者に渡されます。生徒代表の石井理恩(いしいりおん)さんは「この運動会で優勝するために3年間練習を頑張ってきました。優勝してこのトロフィーに歴史を残したいです」と力強く抱負を述べました。終了後は、補習校の神原(かんばら)運営委員長やストックホルム日本人会の大木(おおき)会長、日本商工会の高橋(たかはし)会長と面談。本市の学校と日本人補習校のオンライン交流や日本人会が開催するストックホルムでのイベントへの参加など今後の交流について語り合いました。
■金栗さんが倒れたソレントゥーナ市
金栗四三さんがストックホルムオリンピックのレース中に倒れた、ソレントゥーナ市を訪問。ヘンリケ・チュリス市長、トーマス・ナイマン市委員、市の国際交流担当者と面談しました。藏原市長は、昨年ストックホルムで開催された「金栗企画展」が大好評だったことから今回の訪問につながったこと、ストックホルムマラソンや日本人補習校への金栗トロフィーの贈呈へ波及したことへのお礼を伝えました。さらに、IT教育が進んでいるソレントゥーナ市の児童と本市の児童とのオンライン交流を提案。年度内には実現させる予定です。
金栗さんが当時オリンピックのレース途中で倒れた場所やレースの折り返し地点に設置された記念碑も視察。ストックホルムでは今でも金栗四三さんのことが語り継がれていることを実感しました。
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