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自治体の皆さまへ

未来へつなぐ高瀬しぼり(3)

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熊本県玉名市

■人々の記憶と歴史を紡(つむ)ぐ「高瀬しぼり木綿研究会」
現在、高瀬しぼり木綿研究会(以下研究会)の会員は約10人。展示、物品販売、体験会など多岐にわたって活動を続けています。色の種類が豊富で洗濯に強く、日常的に使いやすいことから今は化学染料を使用しています。

□週に一度の研究会活動
毎週火曜日に下川冨士子(しもかわふじこ)会長の布工房「筒ヶ岳(つつがたけ)」で作品や販売品を作っています。

□36ぷらす3をおもてなし
列車36ぷらす3が玉名駅に停車する際、駅のホームで物品販売をしています。

□学校、一般向けに体験会を実施
研究会発足当初から、長年にわたって体験会を実施。学校では、これまで5千人を超える子どもたちに「しぼり体験」を指導しました。

□作品展を開催
歴史博物館こころピア、熊本県伝統工芸館、玉名市文化センター、熊本県立美術館分館などで作品展や展示即売会を開催しました。

□高瀬しぼり販売場所
ハンカチ、巾着、のれん、マスクなど一つ一つ手作りしたものを販売しています。

・観光ほっとプラザたまララ
玉名市両迫間308(新玉名駅内)
午前9時~午後7時
定休日なし
【電話】57-9663

・街角サロン「馬空(ばくう)」
玉名市亀甲261
午前11時~午後5時
定休日:火曜日
【電話】090-3599-5175

▼高瀬しぼり木綿研究会 インタビュー
▽「高瀬しぼりは玉名の財産」その気持ちと共に
鍋倉恵子(なべくらけいこ)さん(荒尾市)
会長の下川先生と親戚で、1992年に布工房「筒ヶ岳」がオープンした際に工房内の喫茶店や品物の仕入れ、販売などを手伝い始めました。筒ヶ岳で高瀬しぼり木綿研究会が立ち上がり、小学校での体験会が始まったのはその3年後。体験会の手伝いをする中で高瀬しぼりを勉強するようになりました。今は研究会のみんなでマスクや巾着、ポーチ、ティッシュケースなど高瀬しぼりを身近に感じられるような品物を作り、それをいろんな人に手に取ってもらえることがとてもうれしいです。
せっかく玉名にこのような素晴らしいものがあるので、後世に残していきたいと思います。下川先生の知識と技術には到底追い付けませんが「高瀬しぼりは玉名の財産」と話す下川先生の気持ちと共に研究会の一員として活動し続けたいです。

▽高瀬しぼりの面白さは布を広げた瞬間にあります
加藤幸代(かとうゆきよ)さん(長洲町)
筒ヶ岳で下川先生の刺し子教室に参加したときに、教室の他の生徒から高瀬しぼりの話を聞いて初めてその存在を知りました。それからずっと興味があり、やってみたいなと思っていましたがなかなか機会がありませんでした。2018年に開催された一般向けの体験会に念願かなって参加。実際に高瀬しぼりを作ると、その楽しさからどんどん夢中になりました。
まだ自分で思うようには作れず修行中です。高瀬しぼりの面白さは染色後に布を広げた瞬間にあります。布をひもでくくっているときは上手にできているか分かりません。染色して布を広げてみて、そこで初めてどんな柄に仕上がったのか分かります。その広げる瞬間がいつもとても楽しみです。高瀬しぼりの魅力をもっとたくさんの人に知ってほしいなと思います。

▽高瀬しぼりの作り方
(1)巻き上げ絞りの技法で布を紐でくくる
(2)染料につける
(3)くくった紐を解く

■親子でつくる世界に1つの高瀬しぼり
11月9日、横島小学校で高瀬しぼり体験会が開催されました。3年生の学級委員が主催した親子レクリエーションで、22組の親子が参加。高瀬しぼり木綿研究会の会員に指導を受けながら「巻き上げ絞り」技法を実践し、青、赤、紫の染料で巾着を染めました。朝顔のような模様を出すためには布をきつくひもでくくらなければならず、強い力が必要で参加者は苦戦。着色後に布を広げ、現れた模様に歓声が上がりました。親子で協力して作った高瀬しぼりの巾着は、忘れられない大切な一品となりました。

・大石結翔(おおいしゆいと)さん
「糸でくくるのが楽しかったです。完成品を見てとてもうれしくなりました」
・大石結愛(おおいしゆら)さん
「着色のときに布をお湯につけるのが熱かったです。かわいくできたのでシューズ入れに使います!」
・大石良美(おおいしよしみ)さん
「みんな違う仕上がりで、こんなに素敵な作品ができるなんて驚きました。子どもたちには大事に使ってほしいです」
・小島楓(こじまかえで)さん
「強く糸でくくるのが難しかったけれど、楽しかったです!きれいにできてうれしいです」
・小島佳代子(こじまかよこ)さん
「絞る体験は親子共に初めてでとても良い経験になりました。布を広げて高瀬しぼりの柄が見えたとき子どもの目がキラキラしていて、うれしさが私にも伝わりました。最高でした!」

■玉名のシンボルとして ずっと続いていくことを願って
江戸時代から明治、昭和にかけて
日常にあふれていたにも関わらず
一度は途絶え「幻」と言われた高瀬しぼり。

下川冨士子さんはじめ玉名の人々の手によって
復活を遂げ、
時を超えて再び愛され、受け継がれています。
「朝顔のようなシンプルで力強い高瀬しぼりの形は
絶対に守り続ける必要があります。
みんなの手で未来につなげていってほしいです」
と話す下川さん。

この先もずっと、高瀬しぼりの究極の美しさが
語り続けられますように。
日本最古の絞り木綿が玉名で生まれた、
この誇りを未来へ。

◆募集中「高瀬しぼり木綿研究会」
高瀬しぼりに興味がある人、一緒に作品作りをしたい人、研究会の活動に参加しませんか?参加希望者は一度ご連絡ください。
日時:毎週火曜日 午前10時~午後3時
場所:筒ヶ岳(つつがたけ)(玉名市築地812-1)
連絡先:【電話】73-9870

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

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