■第21回市民公開講座「60歳からの転倒予防~転ばぬ先の○○~」より
第21回市民公開講座では多くの人にご視聴いただき、ありがとうございました。担当者から依頼がきたときは、どのような内容にするかとても悩みましたが、花や野菜を育てる母を手伝っていて「畝間を狭くすると前みたいに転んで骨折るよ」と会話し、広くしたことを思い出し、こういったことをお伝えできればと、テーマを「転倒予防」にすることにしました。また、運動については、まず身体能力を知っていただくための転倒リスク検査を行って、より効果の見込める方法を、ということに決めました。
当院にも多くの骨折患者さんが来られますが、大半は段差などの環境と、何かに気を取られたときが合わさって転倒受傷されています。これは、今回の転倒リスク検査では問題の少なかった人にもあてはまり、65歳からは特に注意が必要です。また、中~高リスクであった人は、立ち上がり直後やドアを開けるなどのちょっとした際にバランスを崩し、転倒受傷されることが予測されます。ただこれらは、日頃の意識や筋力運動で少なからず減らせる可能性があるリスクであり、そもそも受傷されないことが望まれます。
うちの母にも、防げる怪我や病気は防いで来年も再来年も花を育てて欲しい、きっと多くの人がご両親にそう思われているだろうと感じつつ、畑にかり出され渋面つくる今日この頃です。
くまもと県北病院 リハビリテーション技術科
療法士長 理学療法士 古庄寛行
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