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詩を楽しもう 清岳こう

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熊本県玉東町

清岳こう文庫からおすすめの詩人を紹介します

◆小松弘愛
『狂泉物語』に触れて以来、憧れの詩人でした。詩の技法と主題の絶妙なバランス、卓越した比喩の力に感嘆していたのです。後年、縁あって、お会いしてみると、笑ってしまうことも多く。校舎中庭の桐の大木を切ったと責任者に怒鳴りこみに行ったり、他愛ない質問にも図書館に駆けこみ、何冊もの辞書等を調べ……結論を出すのに一年も要したり。辞書を読む(?)のが趣味で、時には間違いを探し出したり。温厚でユーモラスなお人柄のうちに情熱をたぎらせている人のようです。詩人として言葉にこだわりをもつことも叩きこまれました。おっちょこちょいの私は、「美は細部にやどる」と何度も諭されました。
氏は父との死別、母の再婚と肉親との別れが早く、祖母を母親と思って育ったとか。手伝いの洋装店の配達の途中、夜間の定時制高校というものがあると知り進学したとのこと。学びへの思い入れがとりわけ強いのも、ロケット発射と称して、十回は原稿を書き直すことを自らに課している詩人としての態度も個人的な目標です。詩篇は理知的、かつ、愛情あふれ、新川和江氏をして「私もあんなふうな老人介護を受け、詩に書かれたい。」と言わしめたことも。さらに、故郷への思い入れも深く、土佐方言での詩篇も連作中です。

▽推薦詩篇
・「船出」『幻の船』 花神社
・「ゴム手袋」『ポケットの中の空地』 花神社
・「道」『愛ちゃん』 花神社
・「ナンキンハゼの落葉」『どこか偽者めいた』 花神社
・「鳩」『平鍬(じょうれん)を肩にした少年』 花神社
・「しぶった」『「びっと」は”bit”」 花神社
・「「犬」よ」『銃剣は茄子の支えになって』 花神社
・「らりくそにする」『のうがええ電車』 花神社
・「よさこい」『へチとコッチ』 土曜美術出版販売

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